語りかけ一つで授業は変わる

今日は中1作文の授業の第8回目。今日も1限目4人(うち2人は学校参観にいらした他校の先生方)、2限目2人、3限目5人の見学者をお迎えしてた。前回の授業後の振り返りで、下書きを書き終えたこの段階で、お互いにお互いの成長に寄与するという協働的雰囲気をもっと作りたいね、という話になったので、当初予定していた文法事項の話はやめて、自分の書いているレポートの現況を簡単に報告して共有するフォームを作ることにした。このフォームの入力結果を共有すれば、誰がどんなことを書いて、どんなことを助けてほしいのか見える仕組みだ。

三学期・中1作文の授業がはじまる

2015.01.14

"Writing is thinking and rethinking on paper"

2015.01.15

専業コーチよりもプレイング・コーチになりたい

2015.01.24

悩みます、公共図書館の利用指導

2015.01.27

ミニレッスンで「時間間隔」を伝える

2015.01.29

今週は下書きの読み合い

2015.02.10

育てたい書き手像を、授業に反映したい。

2015.02.12

作文の授業に大活躍、大福帳!

2015.02.13

ところが一限目、生徒の様子が集中できてない雰囲気。これはまずいと、次の休み時間にはすぐに参観者の方々と井戸端会議。集中していない理由は「共有フォームに書き込む理由を生徒が充分に理解しておらず、ただの作業になってしまっているから」と全員の意見が一致する。

そこで2時間目からは最初のミニレッスンでの説明を大幅に変えて対処したら、ずっとうまく行った。共有フォームに書かれた他クラス生徒のレポートの「問い」を興味深く見ている生徒や、レポートの下書きを交換して読み合っている生徒もいた。3時間目にはこちらのミスのトラブルもあったのだけど、それでも生徒たちが対処してくれた。

本当にこちらの語りかけ一つで、授業というのはがらっと変わってしまうものなのだ。ふだんの授業にしてもいつも一時間目は「お試し」なわけで、なんだか申し訳ないな…。こうやって繰り返しながら、事前のシミュレーションの精度を高めていくしかない。

授業後の振り返りでは、「書き手としての成長に寄与する生徒の協働的な活動をどのように組み立てていくか。その効果をどのように測定するか」が話題の中心に。見学者の中には研究者の方もいて、やはり教育現場では量的研究ではなく質的研究のアプローチで、教室で起きていることを記述して裏付けていく方向性を薦めてもらった。どの方法が効果があるかという研究だけでなく、生徒の行動タイプによってどのように効果が異なるかという研究も面白そうだ。でもそうなると大福帳だけでなく、毎回の原稿も記録して保存することが必要になるだろうか。うーん、やっぱり一人じゃ無理だな。誰か一緒にやってくれる研究者さんいませんか。いずれにせよ、質的研究法の基礎を学んでいかないといかない。

最後に授業後の振り返りでにいただいたコメントのうち、気になるものを自分のメモ用に列挙しておこう。

大福帳は、今のところ生徒と教員のコミュニケーション手段として使っているが、生徒同士で経験を共有する手段として使ってもいいのでは。

自分の大福帳の使い道はたしかにコミュニケーション限定。事前公開を明言していないだけに、生徒同士での共有は強制にするわけにはいかず、自由参加、かな。

ミニレッスンでせっかく柔らかい雰囲気ができているのに、その後の時間管理の掛け声で雰囲気が壊れるのがもったいない。時間通知にはハンドベルやiPadのタイマーを使うといいのでは。


これはたしかにそう。授業時間が50分しかないので、つい時間管理の掛け声をするのだけど、次からはiPadのタイマーアプリを活用しよう。

カンファランスの時に、その生徒に集中しすぎている。背中でクラス全体の雰囲気を感じ取れるように。 


これを言ってくださった方は身体感覚で雰囲気をつかむのが得意な方。僕は、そういう五感をフル動員して把握するような能力はないのだけど、言っていることはもっともだなと思った。カンファランスが終わるたびに全体を見回す訓練を積む方法で対処したほうが良さそうだ。
 

完成原稿提出までの授業はいよいよ残り2回! 残り2回とも、見学者の方が来てくださる予定。今回の授業で得たものを残りの2回に活かして、生徒に負けないように頑張らないとね。 

この記事のシェアはこちらからどうぞ!