今週になって、ようやく2025年度の国語の授業がはじまりました。僕はわいわいがやがやが苦手で、早く落ち着いたルーティーンが来てほしい人なので、ちょっとほっとしてるところもあるかな。国語の授業があると自分の中に一本軸が通って元気になってくる感覚、思い出しています。
毎年楽しく考える授業開き
授業開き、毎年どうしようか楽しんで考えるタイプです。筑駒時代には、オーソドックスに、いま自分が何に興味があってどんなことをしているか話したことももちろんあれば、黒板に横書きでいきなり板書をして、国語といえば縦書きと思っている生徒たちに日本語表記の歴史の話をするところからはじめたこともある。読み書きタイムラインを生徒に書いてもらったことだってある。でも個人的に一番好きだったのは、桜の詩をいくつか読んで、その後は校内の桜の木を見に散歩する授業開きかなあ。当時からすでに桜の開花が早くなって授業開きの時には葉桜になることも多く、あまり回数はできなかったけれど。
でも、風越に来てからは、自己紹介とかはせず、いかにもな授業開きもしないで、さっとすぐに詩の授業に入ることが多くなったかな。4月のうちにできるだけ早く小さく「作家のサイクル」をまわして出版したいのが大きな理由。それに、完全教科担任だった中高教員時代と違って、自分がどんな人かなんていろんな場面で伝わりますしね。
今年は「教室に出会う」日
そんな近年の授業開きだけど、今年は最近環境設定に力を入れていることもあって、授業初日を「教室に出会う日」にしました。参考にしたのはナンシー・アトウェル『イン・ザ・ミドル』に書かれた授業開き。彼女の授業開きのアクティビティの一つが、教室のどこに何があるかをクイズ形式で答えてもらう教室探検なんですよね。それをそのまま真似しました。「読書ページ数の足し算をしたい。電卓はどこにある?」のような、授業で子どもたちがよく使うものの場所についての問題から、「「作家ノートギャラリー」にある一番古いノートは何年生の誰のノート?」とか「書き出し選手権の優勝作品を集めた「書き出しの殿堂」。その中に、いまの6年生が考えた書き出しはいくつあるかな?」のような、この教室での取り組みや歴史を感じさせるものまで。
教室探検は、6年生と5年生のペアで。僕はこの数年ずっと56年混合クラスを持っているので、半分はこの教室のことを知っているはず。だから、6年生が5年生を案内しながら教室を動き回っていた。こんなふうに上の世代から下の世代にちょっと手渡していくこの感じ、いいな。これは、先輩たちの作家ノートや書き出しも掲示して、ちょっとおおげさにいえば「歴史」の中に自分もいることを感じてほしいという僕の願いとも一致しています。複数の学年が集うこの教室を活かした授業開きにもなったかな、と思って、個人的にもわりと好きな一年のはじまりでした。
そして「詩で聴き合う」単元へ
そんな授業開きを終えて、今日からは谷川俊太郎「すき好きノート」を使っての、詩で自己紹介を書く小さな単元へ。ここは、りんちゃん(甲斐利恵子さん)の実践をベースにして書いたら、その後はできた作品集を読み合い、お互いについて聴き合う時間をとる予定です。
こちらはまだ今日はじまったばかり。でも、しんと静かになって詩を書いている雰囲気がとてもいいし、まずはメモ書きをしたり、先輩の作品の型を真似ようとしたり、机を端に寄せて集中できる環境をつくろうとしたり、個々の色々な頑張りが見える一日で、明日も楽しみになる感じでした。やっぱり授業っていいな。今後も自分が楽しめる授業をしていきたいです(笑)
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