ブログ「もぐらのさんぽ」を運営されている小学校教師のKAIさんが主宰する会「西多摩PACE」で作文教育についてお話をしてきました。普段は体験学習を軸にした学習会だそうで、参加者もほとんどが小学校の先生でした。
目次
もぐらのさんぽ
http://d.hatena.ne.jp/kaisaki37/
お話しした内容は3つ
お話した内容は、以下の3つです。
- 自分とライティング・ワークショップの付き合いについて
- 作文教育研究の観点から見たライティング・ワークショップについて
- アトウェルの学校のライティング・ワークショップについて
教師の個人的経験の持つ意味
今回は意識して、自分の書くことの個人史を詳しくお話しました。というのも、ライティング・ワークショップとは「これをやれば誰でも一様に効果がある特定のパッケージ」ではなく、「自立した書き手を育てる」ことを謳った「大きな器」のようなものだ、と思っているからです。フレッチャー&ポータルピの『ライティング・ワークショップ』も、あくまで「ライティング・ワークショップの一つ」に過ぎない、と僕は思っています。たとえばアトウェルのライティング・ワークショップは、特にIn the Middle 第2版や第3版において、フレッチャーの訳本に描かれているそれとは大きく異なります。
教師の持つ個人的な経験や文章観・作文教育観によって、ライティング・ワークショップの内実はいくらでも変わる。多分、KAIさんのライティング・ワークショップと、僕のライティング・ワークショップはかなり違うんじゃないか。それは、どっちが正解というのでもないけれど。僕はそう思っているので、お話の最後でも「あなたはどんな書き手なのか」ということを強調させてもらいました。
研究から見たライティング・ワークショップ
研究から見たライティング・ワークショップについては、以下のエントリで書いたことを大幅に簡略にしてお伝えしました。興味のある方は下記エントリをどうぞ。1から始まって7まであります。長いけど、読んだ方にとってそれだけの価値があることを期待してます。
特に、ライティング・ワークショップの効果については、「効果を測定することがそもそも難しいのだ」というところを押さえておくのが大事。
アトウェルの学校のライティング・ワークショップについて
アトウェルの学校については下記のエントリからたどることができます。参観当日の僕の感想やまとめをご覧ください。お話した「優れた教師が十分に恵まれた環境で個々の生徒を教えることができるのならば、生徒同士のカンファランスはいらないのか」という問いについては、僕も今後も考えて続けてみたいと思います。まあ、直感的には「それでもいる」なのですけど…。
また、当初はファシリテーターに徹していたアトウェルがだんだん「教える」ことを増やしていくという点については、下記エントリでも書いています。
この記事で書いた「In the Middle初版のアトウェル」は、「共有の時間」もやってるのが新鮮。
ありがとうございました。ぜひ、ライターズ・グループを
僕がお話をするのはちょっと異質な感じなのかなと思いつつ、現時点でお話できることを出し切ってきました。もうお話できることはありませんが、懇親会の場で出てきた「NWP(西多摩ライティングプロジェクト)」が実現するなら、ぜひお邪魔したいです。「教師のライターズ・グループ」はとても大事だし、自分の成長のためにもそういう場に身を置いていたいなと思っています。参考文献は下記エントリ。
他の方のブログから
岩瀬直樹さんとてるさんが、ブログに感想を書いてくださったようです。ありがとうございます。
いわせんの仕事部屋
速報:あすこまさんのお話を聴いてきた。
http://iwasen.hatenablog.com/entry/2016/11/06/182510
てるさんの日記
あすこまさん in 西多摩PACE
http://d.hatena.ne.jp/Teruhisa/20161106/1478421859