In the Middle読書日記。下記エントリでは書き出しについてのミニレッスンを取り上げたけど、同時に、書き終わり(結末)についてのミニレッスンも充実している。
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まず彼女が「母なるジャンル(the mother genre)」(p84)と呼び、このワークショップでも最初に扱うジャンル・詩では、「最も推敲するのは結末部分」(p336)「どんな詩人でも、第一稿では結末部分は決まらない」(p341)「一番重要な箇所」(p341)と話して、 結末をさまざまに工夫した生徒の作品例を示している。
結末は、詩の最も重要な箇所です。力強く、読者が読み終えた後に響きあう必要があります。結末は、感情や考えや疑問や理解を読者に残すものでないといけません。
あなたの結末を考えるのに、時間を使って、あれこれと必要なだけ試してみなさい。そしたら、読者もその価値を認めてくれます。2日間は詩から離れて動きまわるの。あなたが他の書き物について考えている間に、アイデアが脳の中で染み出てくるようにしてあげなさい。
それから、戻ってきて、色々と試しましょう。作家ノート(writing off-the-page)に、違った結末を色々と書いてみて。あなたの伝えたいことにぴったりきて、あなたの詩を完成させて、読者を立ち止まらせる結末を思いつくまで。(p342)
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回想録(Memoirs)でも、冒頭部と呼応した結末を書く大切さを伝え、12種類もの結末のアプローチ方法を示している。論説文(Essay)でも同様だ。次の6つの結末の書き方を教え、さらに生徒の作品例を示している。
・なすべきことを忠告し、または教える。
・今後を予見する。
・とても強力で印象的な主張をする。
・エピソードを書く。
・読者への質問をする。
・書き出しと呼応させて終わる。
他にも、避けるべき結末の書き方なども教えていて、やはり彼女が結末に力を入れていることがわかる。
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書き出しのレッスンと同様に、どのジャンルでもアトウェルの基本的姿勢は一貫している。それは、彼女が師匠でもあるドナルド・マレーの言葉を引いて語っている「The end must connect with opening」ということだ。以下のエントリでも書いたけど、「一貫している」「ワンパターンである」ことの力をあらためて思う。また、時間をかけて作り上げたパターンだからこそ、アトウェル自身も自分のワークショップを「the only logical way to teach English」(p24)と自信を持って言えるのだろう。この言葉は、なかなか出てくる台詞ではない。