文章を書くための質問を自動化するソフト

生徒が作文を書くプロセスへの指導法である「ライティング・ワークショップ」は、「カンファランス・アプローチ」とも呼ばれている。教師が生徒と一対一で質問をし、生徒の状況を把握して、今後の示唆を与えたりもっと直接的に指導をしたりする「カンファランス(個別相談)」が、 このライティング・ワークショップの重要なポイントだからだ。そのへんについてはカール・アンダーソンの以下の本に詳しく書いてある。

Assessing Writers
Carl Anderson
Heinemann
2005-06-03


ところが、日本の40人学級では、このカンファランスができない。僕も試してよくわかったのだが、40人を1人でカンファランスするのが到底無理な話なのである。だから、日本ではピア・カンファランスやグループ・カンファランスに活路を見出すしかないだろう。そう思っていた。

しかし「第三の道」があることを、次の記事で知った。

 ▷ プロも愛用、小説執筆支援ソフト 質問繰り出し発想促す(朝日新聞)

なるほど、質問を自動化するソフト。その発想はなかった! でも、本当に状況に対応した質問は人間でないと無理としても、個人で原稿執筆を進める上で、こういうものがあれば相当助けになるはずだ。(しかしこれ記事の書き方で誤解を与えそうだけど、Scrivener自体に質問を繰り出す機能はないはず…)
「強制的な質問は、新たな努力をうながす。癖や思いつきで書かず、斬新なアイデアが生まれた」という中村さんの言葉が、それを裏付ける。

関連記事は、こちらにもあった。

 ▷ 小説執筆支援ソフトを活用して書かれた小説「僕は小説が書けない」が発売
  (INTERNET Watch) 

ソフトの名前は「ものがたりソフト」。まんまですね(^_^;) でも、この説明やソフトの画像見たら、小説だけじゃなくて色々な文章に応用が効きそう。

認知心理学で用いられる「プロトコル解析法」という手法を用い、米村教授が中村氏の発話内容を書き出し、思考の規則性を整理することで小説家の思考をシステム化。書き手の頭の中にある断片的な思考をつなぎ、1つのあらすじの作成をサポートしてくれるソフトを開発した。

こういう方向があるかあ。うん、ありそう。「良い質問のデータベース」から状況に応じた質問をもらいながら文章を書いていく、ということが将来的に教育現場でもできるんだろうか? ちょっと面白い未来像だ。今後の進展が楽しみ。

 

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