一週間更新が空いてしまいました。今年は音声入力を活用して、日記的に短くこまめに更新したいと思っているのですが、忙しくなると、つい間が空いてしまいますね。たいした事なくてもいいので、未来の自分のためにちょっとした思考を書き残しておきたい。というわけで、今日は「作家の時間」の出版に向けた印刷作業で丸一日出勤していたので、それについてちょっと書きます。
自分の場合は、紙の作品集形式
「作家の時間」に欠かせないのがこの出版作業です。個人で作品をまとめる、一枚物の掲示物にする、作品集にするなど、やり方はいろいろでしょうが、僕は基本的に、みんなの作品を一つにまとめた作品集形式にしています。確固たる信念があってそうしているわけでもないのですが、そのほうが他の子の作品を読みやすい気がして。
この作品集、実は風越に来た当初、Googleドキュメントの共有や電子書籍サービスを利用するなどの形式で、2年ほど紙の作品集からは離れていました。ただ、三年前から再び紙の作品集に回帰しています。電子データの共有だと、どうしても味気ないというか、「もの」を作り出している実感に乏しく感じられます。理屈の上では電子データの方が共有に便利なのですが、実際には紙の作品集の方がよく読まれている気もします。自分から検索しないと読みに行けない電子データよりも、そこに「もの」として存在して目に止まる方が結果的に読んでもらえるのかもしれません。本当は電子と紙と両方できたらベストなんでしょうけど、そこまでは予算的にも時間的にも手が回らず…。
タイトルは「消えたトイレットペーパー」
ちなみに前回の出版までは輪転機で印刷していたのですが、今回の出版から風越学園が新しく導入した複合機を使えることになり、印刷作業が快適になりました! 今回は、合計で160ページ近くの作品集でしたが、編集と出版を無事に終えて夜7時すぎに帰宅できたので大満足です。
ちなにに、僕はいつも子供に作品集のタイトルや表紙のデザインをお願いするのですが、今回のタイトルは「消えたトイレットペーパー」というユニークなもの。いつもは雰囲気のあるふわっとしたタイトル(僕の本『君の物語が君らしく』ももとはこの作品集のタイトルです)になることが多いのだけど、ひねりのある今回のタイトルのおかげで、いくつかトイレットペーパーにまつわる作品が書かれたのが、今回の出版の面白ポイント。僕も今回は何を書くか悩んでいたので、このタイトルにあやかって、トイレットペーパーについての説明文を書きました。
あと、今回は去年まで僕の「作家の時間」の授業を受けていた中学生の子も一人寄稿してくれました。風越では「作家の時間」は小学生までだけど、中学生になっても「作家をやりたい」という子がいて、そういう子がマイプロで「風花文庫」という作品集をつくったり、こうやって56年の作品集に寄稿したりしてくれるのです。小学校を通して「作家の時間」をやっているつよみを感じます。
あえて、いっしょに手作りする余地を残す
この紙の作品集、やろうと思ったら、全てをこっちが作り切るのも難しくないのだけど、あえて子供たちがいっしょにつくる手間を残すのも大事だと考えています。僕の場合、印刷までは僕がするけど、冊子を作る設定にしたり、ソートしたりはしないで、一枚一枚の紙にはを合計80枚くらい重ね合わせ、製本する作業をみんなでするようにしています。そうやって作品集を一緒に完成させるプロセスを一緒に味わうほうが、ものをつくる喜びを時間をかけて実感できる気がするので。明日の授業は、この製本作業がメイン。楽しみです。
あすこまさん お疲れ様です。大阪の小学校教員モモちんです。
情景が浮かぶ投稿でした。なつかしく感じました。(今は作家の時間をできる環境にいないので、寂しです。)あえてみんなで手作業する。分かります。私もずっとそうしてきました。その後、全部が出来上がったあとの静けさ・・・子どもたちが作品に向き合い、読む姿が大好きでした。
モモちん、お久しぶりです。その雰囲気、わかりますー。いいですよね、ページをめくるあの時間!