SONYが「新しい紙」として売り出し中のデジタル端末・デジタルペーパー。
僕は上のレビューにもあるように一ヶ月ほどSONYから実機をお借りして試用し、「10万円は高い」と言いつつも今年2月にはついに購入に踏み切った。使っておよそ半年がたつので、実際に半年使ってみてどうだったのかを改めてまとめてみたい。
さて、購入半年たってどんな用途で使っているかというと、
(1)レポートの採点ツールとして
(2)大型電子書籍リーダーとして
の2点である。「デジタルの紙」というSONYのコンセプトでは、ノートという利用法が強調されていたのだが、僕は、たまたま紙のノートがない時は別として、ノートとしては使っていない。やはり、大型なだけにいつも持ち歩くわけにもいかず、紙のノートやメモ帳の代替にはならないからだ。
この用途としては、以下のエントリにも書いたことがある。
僕がデジタルペーパーに10万円を払った一番の理由は、結局この「大型電子書籍リーダー」としての用途である。A4サイズのPDFファイルや、大型の単行本を、ほぼそのままの大きさで、しかも手書きで書き込みをしながら読める端末は、現状これしかない。「PDFファイルはiPadで」という人もいるだろうが、意志の弱い僕には多機能すぎて気が散るし、読むのに最適なi文庫HDは手書きメモに対応していないしで、ベストな選択肢とはとても言えない。
また、下記エントリで書いたようにkobo Aura HDを使えば単行本が読めるのは確かなのだけど、日本語の本ならともかく、残念ながら僕の英語力は「書き込みメモをしないですらすら英語が読める」レベルではないので、やはり書き込みのできる電子書籍リーダーが欲しいのだ。
とはいえ、第一弾の商品なので、不満な点も色々ある。次モデルで改善してほしい点をあげると、このあたり。
・動作がもっさりする
・充電中にカバーがかけられない
・2画面表示に対応してほしい
・辞書機能を搭載してほしい
・値段が高すぎる!
特に現状は、ページめくりの時に明らかに「待たされる」ストレスがある。i文庫などのヌルヌル感に慣れてしまうと、これ一つで嫌な人もいるだろうというレベルだ。CPUの問題なので、きっと中身を入れ替えないとどうしようもない問題だと思う。
また、PDFの英文を読む需要がある僕にとっては、単語をタップした時に辞書が呼び出せないのはかなり不便。タップしてgoogle検索などはできるので、技術的には辞書搭載もできると思うのだけど、「電子書籍リーダー」ではなく「デジタルペーパー」というコンセプトにこだわっているSONY側としては、対応する気はまるでなさそうだ(何度か問い合わせ済み)。これも残念なところ。
とはいえ、現状でも良いところのたくさんあるデジタルペーパー。もしCPUが強化されて値段が半額の5万円になったら、周囲の人にもお薦めできる商品かな。頑張って、安い値段で次世代機を出して欲しい!