楽天koboから電子書籍リーダーkobo Aura H2Oの国内販売が発表されましたね。
▷ 楽天、防水電子書籍リーダー Kobo Aura H2O を2月下旬国内発売。
(Engadget Japanese)
これ、紙の本を裁断してPDFにして読むいわゆる「自炊派」の人にはお薦め。今日はその理由を書く。
まず僕自身の電子書籍歴から。
のエントリで書いたように、僕は最初はkindle2→kindle3ときて、その後SONYのReader(PRS-T2)に移った。電子書籍ストアでは本を買わず、手持ちの本を裁断してPDFファイルにする「自炊派」の僕に取っては、kindleはあまり向かないのだ。一方のSONYのReaderは(1)たった160gの軽さ(2)物理ボタンがついている、ということで愛用してた。不満はフロントライトがないことくらい。ところが、実は一ヶ月前ほどにSONY Readerが壊れてしまった。もう一つ稼働する端末のKindle3は事実上娘の漫画リーダーになってるし、もう生産中止が決まったReaderをまた買うのもなんだし…で、実はその後、kobo Aura HDを買っていた。日本未発売なので輸入品をヤフオクで。
このkobo Aura HDにとても満足している。僕がkobo Aura H2Oを薦めるのも、基本的にAura H2OはAura HDに防水機能がついた強化版だからだ。以下、Kindleシリーズと比べた時の、kobo Aura HDの自炊書籍端末としての優れた点をあげておく。なお、比較に使ったのは妻のKindle Paperwhite(2013)だ。
kindleをはじめとした通常の電子書籍リーダーの6インチ画面に対して、kobo Aura HDは6.8インチ画面。 実際に使うと、この違いがけっこう大きい。もともとのPDFファイルをChain LPという自炊派にはお馴染みのソフトを使って最適化したcbzファイルに変換すれば、文庫版小説も新書も漫画も紙の本よりも大きな字になって読みやすい。
左が妻のKindle Paperwhite(2013)。右が僕のkobo Aura HD(どちらも最適化済み)。
また特筆すべきなのは、6.8型画面だと単行本も読めるということ。文字は小さいけれど、分厚い単行本だって、PDFにすれば軽々と片手で持ち歩いて読めるのですよ!
やや文字は小さめだけど、高精細なので文字くっきり。単行本でも読める。
自炊派にとってKindleの最大の欠陥は、microSDカードスロットを備えておらず、容量に限りがあること。もともとKindleは端末を安く売り、Kindleストアの電子書籍データを買わせるモデルだから仕方ないのだけど、自炊派にとって容量を増やせないのは辛い。その点、koboシリーズはmicroSDカードスロットがあって32Gまで拡張できる。
Kindleのもう一つの欠点は、自炊ファイルのページをめくるタップ位置が常に固定されていて、日本語縦書きの本だろうが横書きの洋書だろうが、ページめくり方向に関係なく同じ位置をタップしないといけないこと。これは地味にストレス。その点、koboはページめくりのタップ位置を3つから選べる。僕はいつも電車で読む時に「右手でつり革、左手で電子書籍端末」というスタイルなので、それにあわせて最適の位置を選べるのがありがたい。
kobo Aura HDの欠点は、画面が大きいぶんKindle(200g強)より重い(240g)こと。前に使ってたSONY Readerは160gなので、それと比べるとずっしり感じる。また、SONY ReaderやKindle Voyageと違って物理ボタンがないのも残念。
とはいえ、僕はフロントライト付きのモデルが初めてということもあり「暗い所でも読める!」「文字が大きい!」「単行本が読める!」感激が、重さや物理ボタンなしの不満に勝ります。全体的にはとても満足。SONYのデジタルペーパー
がないと読めないかと思ってた『日本作文綴方教育史』シリーズが電車で読めるなんて…(ただし、koboはデジタルペーパーのように手書きメモができたりはしない)。今回発売時期が決まったkobo Aura H2Oは、基本的にHDに防水性能をつけたもの。価格がKindle Voyageと同じ2万円程度なので、自炊派の人はH2O、ストアで電子書籍も買うよという人はVoyageになるのかな。
ただ、もしも自炊派で防水性能がいらなければヤフオク等でkobo Aura HDを安く買うのが一番。僕は15000円くらいで買えたので、今ならもっと安いかも?