今日は図書館で過ごした一日。午前中は図書館での有志読書会「ぶらり読書会」。もう5回目になる恒例の読書会、今回の課題本はカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』。中3〜卒業生(大学生・大学院生)までの11名が集まって、映画をモニターに流しながら、サウンドトラックをBGMにしながら、この本をめぐって楽しく対話した。
やっぱり読書会はいいなあ。卒業生が参加してくれるようになったのがとても良い。最年少と最年長で8歳差、経験も違えば読み方も違うし、年上のほうが「深い読み」というわけでもない。授業でも読書会をやってみたい気持ちもあるけど、授業の外で、異年齢でやったほうが絶対に面白いはずで、今やってるこの読書会以上には面白くできそうもない。今回はカズオ・イシグロの小説もとても良い小説だと思うけど、やっぱり読書会という形式の良さを感じた。
自分では気付かなかった読みも色々と。いくつか気になった発見や問いをメモしてみる。
・SFっぽい設定だけど、SFのようにこの世界に抵抗しないのが不思議。なぜ主人公たちは、自分たちの運命を受け入れて、反抗しないのか? おとなしすぎる。
・この学校の生徒たちのように、僕たち読者も少しずつ出てくる情報に慣らされているのではないか?
・自分の死ぬ時期や役割について悩む必要がない人たちは、幸福な面もあるのではないか?
・ルーシー先生とその他のヘールシャムの先生、どっちに共感する?
今回もこの本をきっかけに、生きる意味や性といった、ふだん学校ではなかなか話さない非日常的な話題について話すことができた。終わった後、来年は僕がいないから再来年かな…と話をしたら、ぜひ来年もやって欲しいという声。うーん、夏休みではなく、二学期にやりますか!
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その後、読書会に参加してくれた卒業生たちとお昼ご飯を食べて、その後は、司書さんと図書館で作業。ある図書館の大会での発表のスライド作りと、リハーサル。やってみたら長すぎたので、ばっさりばっさり落として、またリハーサル。
結局、終わったのは夜7時を過ぎていた。昨日も3時間一緒に作業をして、今日は約5時間も。うん、よく頑張った。充実感。声高にならず、伝えたいことを、伝えられますよう。