なんだかすっかり「イギリス図書館探訪」的になっている最近のブログだけど、現在の主目的は家族旅行。図書館はあくまで片手間で、ブログも夜や早朝に書いてたり。で、エディンバラをあとにして、景勝地として名高い湖水地方のウィンダミアに滞在中。さっそくピーター・ラビットのビアトリクス・ポター資料館に行って来たよ。いつ見てもカツアゲしてるようにしか見えませんな!
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ウィンダミアにも公共図書館があって、これがまたいかにも湖水地方的なおしゃれな外観。ストラトフォード・アポン・エイヴォンの図書館と同様に、周囲の環境に配慮してるのだろうか。
中に入ってみると、これまたストラトフォード・アポン・エイヴォンの図書館と同様、こじんまりとしたいいサイズ感。これくらいが「特にすごく立派でもない」公共図書館の平均なのかもなあという気もするし、ミニサイズの日本人としてはエディンバラ中央図書館よりも正直落ち着く(笑)
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小さくて、僕が行った時にはたまたま利用者はほとんどいなかったけど、展示やさまざまなイベント、地域の情報掲示板などに力を入れて頑張っている印象の図書館。館内の各所にも椅子やソファがあり、明るくて居心地が良さそう。広いとはいえない児童書コーナーにも、おもちゃやクッションなどがあって楽しそう。良い図書館だなあと思う。
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DVDやオーディオブックを有料で貸し出しているのは他の図書館でも見た風景だけど、ここはPCの貸出やFAXの送信、ミーティングルームの利用なども有料で行っているみたい。USBメモリの販売もしている。こういうのは州の自治体ごとに決まっているのかも。また、面白いのはロンドンのアイデアストアやエディンバラ中央図書館同様、カルチャーセンター的なワークショップやコースを開講していること。フランス語やスペイン語の講座、iPadの使い方講座、そしてライティング講座(Life Writing/ Family History)など、この秋は合計9講座を開講。
さらに二階には、Citizens Advice Bureauという自治体の?組織が入っていて、そこで市民からの様々な相談事(家族の問題、借金、職探し…)に乗る仕組みになっている。おそらく運営は別組織だろうけど、こんなものが図書館にあるんだと、ちょっと驚いてしまった。
同じ二階にはこの規模の図書館にしては本格的な企画展示スペースもあり、今は「ウィンダミアのホロコースト」と題して、ホロコーストで生き残ったユダヤ人の子どもたちを受け入れた歴史を紹介していた。この図書館職員の方たちでの企画らしく、専門性を存分に活かした、本格的な展示である。
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どうもこのウィンダミア図書館、日本で言う公民館的な機能も併せ持っているのかもしれない。ロンドンのアイデアストアでも強く感じたことだけど、イギリスと日本とは公共図書館に期待されている役割が違っていて、イギリスのほうがより地域の人々の生活に密着したインフラになっているのかも、という気もする。まあ、全ての図書館がそうではないんだろうから即断は避けたいけど、今のところの印象としてはそう。
ともあれウィンダミア図書館、きっと愛用している地元の方もいらっしゃるに違いないと思える、居心地の良さそうな、好印象の図書館だった。