このエントリで書いたように、すっかり気に入ってしまったエディンバラ。
エディンバラは世界遺産であると同時に、ユネスコのCreative Citiesの「文学の街」にも選ばれている。Red, Red Roseを書いたスコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズ、『ジキル博士とハイド氏』『宝島』の作家ロバート・ルイス・スティーブンソン、名探偵ホームズの親コナン・ドイル、そしてJ.K.ローリングが『ハリー・ポッター』シリーズを書いたのもこの街。
このエディンバラの中心にあるCentral Libraryは、スコットランド国立図書館のすぐ向かいにあった。ここでもちょっと家族を置いて個人行動をして、1時間半ばかり見てきました。
こんな立派な入り口です。中に入ると受付があって、そこから順路がいくつもある。どうも、この建物の中で部屋がいくつもわかれているらしい。入って一階正面がCentral Lending。フィクションは基本的にこの階に並んでいる。どの国でも小説が一番人気なのかもしれませんなあ。デスノートなど、日本の漫画もGraphic Novelsとしてこの部屋に。
また、DVDやオーディオブックの貸出(いずれも有料)や本の販売も行ってて、司書カウンターにはレジがあった。これは初めてではないので、どうもDVD類は有料貸出というのがイギリスのスタンダードなのかも。なお、ロンドンのアイデアストア・ホワイトチャペルでは異言語の棚はベンガル語やソマリ語中心だったけど、こちらでは中国語とアラビア語だった。
▼
二階にあがるとReference Library。ノンフィクションの資料が多く集められ、また学習用の机もたくさん。この迫力のある内装を見よ! 資料検索用にはカード目録もあったけど、あれは今はただの飾りなのかしら…。
以上の二つの部屋がこの図書館のメインの部屋のようだ。どちらも歴史を感じさせる重厚な内装である。また、エディンバラが文学の街ということが各所で宣伝されていて、ここの図書館としてはプライドを持って力を入れているポイントなのだろうなあ。個人史や家族史を書くワークショップの案内もあった。書くワークショップを図書館が主催しているのは、僕の個人的な関心とも重なるので面白いな。
▼
ただ、これはイギリスでの図書館みんなに感じられる傾向なのだけど、書棚の並びがどういうルールなのか、こちらの勉強不足のせいもあっていまいちわからない。基本はDDC(デューイ十進分類法)なのかなとも思うけど、日本の図書館みたいに分類数字でのサインがなくて、小説はScience FictionやFantasyといったジャンルごとに配架されている。司書の方と一緒に来れば配架のルールがもっとよくわかるのかしら。
▼
これ以外にもアート系の本だけを集めたArt and Design Libraryや、音楽関係の本やCDを集めたMusic Library、地域資料を集めたEdinburgh and Scottish Collection、そしてもちろん児童書を集めたChildren’s Libraryが、全部別の部屋で存在する。探す方からすると大変な面もありそうだけど、それだけたくさんの資料があるから仕方ないのかも。僕も後半は駆け足になってあまり見られなかったけど、内装は部屋によって全然違う。Music Libraryはこんなモダンな感じ。外装がクラシックなので、素人としてはこれだけでオオッと新鮮に思ってしまう(^_^;)
なお、各階には必ずエレベーターがあって、障害者への配慮はしっかりされていた。配慮という点では、大活字本はもちろんあったし、画面を拡大して見られるPCや、ディスレクシアの啓発ポスターなども目にした。そのへんの配慮は日本よりも先んじている面もあるのかもしれない。
▼
とにかく大きな図書館で、ひと通り歩いて回るだけでも大変。僕は結局閉館時刻になってしまい、後半はほとんど見られなかったのが心残り。「文学の街の図書館」の雰囲気だけは味わってきました、ということで。