やや扇情的なブログタイトルですが、ほらね、やっぱりね、という感じの記事が出ていました。
東京都、都立高校図書館で“偽装請負”蔓延か…労働局が調査、ノウハウない事業者に委託
僕はこの問題に関してはすでに2017年3月の過去エントリで書いています。上の記事によると、労働局が入った事件自体はもう4年前のことなんですね。
基本的には過去エントリに書いた通りなのですが、
- 東京都教育委員会が、都立高校の学校図書館の司書業務をどんどん民間に業務委託している
- 図書館業務を専門としない会社が、最も値段を安く提示しているという理由で落札している
- この業務委託では、学校側(図書館を担当する司書教諭)が司書に直接指示できない。指示をすると「偽装請負」になる。
という事態が都立高校の学校図書館で広まっています。本来、学校図書館は、生徒の実際の利用を見ながら、担当教諭と司書で相談をしながら色々と工夫をしていくもの。日々相談して作るのが当然なのです。でも、それをすると「偽装請負」になってしまう。かといって、やらなければ学校図書館としての機能が「終わって」しまう。
こんな状況に追い詰められて、グレーなところにも踏み込んで現場でなんとか踏みとどまっている、あるいは撤退戦を強いられている個々の学校図書館関係者(もちろん請負会社から派遣される司書さんも含みます)には、本当に気の毒な話。先のリンク先記事では、
本来、都立高校の司書教諭が担当するべき学校図書館司書の担当業務を、民間企業に委託している実態は、調べれば調べるほど高校側の無責任さが浮き彫りになる。
と書いているけど、問題の根っこは個々の高校ではなく、東京都教育委員会。
僕は東京都に住んでいた昨年まで、自分の子どもがこういう劣悪な学校図書館で過ごすことになるのが本当に嫌でした。学校図書館の学習環境としての機能を思えば、正直なところ、それだけで私立受験を検討する大きな要素になると思います。
やれ主体的な学びだ探究学習だと口では言っておいて、実際にやっていることはこれ。犠牲になっているのは、司書だけでなく、もちろん生徒も。せめてこれが問題化することで、都立高校の学校図書館業務の民間委託が見直されると良いと思うのですが…。