[ITM]「自分で評価基準を作る」のが授業のパターン

In the Middle読書日記。昨年の12月から読んできたこの本も、いよいよ残り100ページを切った。今は第3部Genre Studyの第12章で、これまで扱ってこなかったジャンルを扱っている。

この第3部まで読んでわかるのは、ある新しいジャンルを教える時のアトウェルの一貫した「パターン」があることだ。それは次のようなものである。

(1) そのジャンルの作品を読ませる(卒業生の作品も使われる)
(2) その作品の良いところや気づいたことを宿題として書かせてくる。
(3) 個人で気づいたことをグループで共有する。
(4) そのジャンルでの「良い作品の基準」をクラスでつくる

これは、以下のエントリで書いたように回想録の時に顕著に時間をかけて行っていたけど、ショート・フィクションやレビューの時にも同じことをしている。

[ITM]回想録を書く前に(1) モデルを見る、トピックを探す

2015.04.20

[ITM]回想録を書く前に(2) 自分の評価基準を作る

2015.04.22

そういえば読みの授業で書くレター・エッセイの時にも、卒業生の書いた作品を示して良い点を共有していた。




以上を見てわかるように「生徒が作品を読んで自分たちの評価基準を作る」ことに、アトウェルはけっこうこだわっている。自分で評価基準を作れることこそが、アトウェルの考える「自立した書き手」(Independent writer)の条件でもあるからなのだろう。

だから、仮にある年に良い基準ができたとしても、彼女はそれを翌年にそのまま使い回したりはしていない(p278)。毎年、生徒に自分たちで作らせている(その後でフォローするために昨年度のものを使うことはある)。評価基準の質よりも、評価基準を作るというプロセスに重点を置いているということだ。それがまた、実にアトウェルらしいと思う。

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