他の本に寄り道していてちょっと間があいたIn the Middle 読書日記。いまはChapter10のMemoirs(回想録)を読んでいるところ。アトウェルが詩の次に行うジャンルがこの回想録である。僕の語彙感覚だと、日本語で「回想録」というとかなり年輩の人が自分の人生を振り返って書くものという印象があるのだけど、ここでは日々の中から感じたことを書く、程度の意味に使われている。
Nancie Atwell
Heinemann (Txt)
2014-11-05
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さて、このチャプターで感心するのは、生徒が回想録を書けるようになるための、アトウェルの綿密なミニレッスンのプランだ。
まずは卒業生が書いた回想録を生徒みんなで読み、それについて気づいたこと、観察したことを色々と書き出させる。書く授業を、読むことから始めている。何であれまずモデルを示すことは大切だし、それが大人よりも卒業生や同級生などのより身近な人のほうが効果的だ。これは僕も真似していきたい。
次に、自分たちで回想録を書くためのトピックとその切り口を考えさせる。これが最も大きなハードルになるので、まずはトピックになりそうな出来事を探させるところから。この時、「回想録の書き手のための質問リスト」(p427-428)を配って、生徒が考える手助けをする。
その次の授業では、3〜4人グループを作って、各々が見つけたトピックになりそうなことを共有して話し合う。その中で、複数の人に共通するようなパターンもあわせて話し合い、自分のトピックを決めることが宿題になる。
さらにその次のミニレッスン3回を使い、生徒自身に回想録の評価基準を作らせている。具体的なやり方としては、3〜4人グループを組んで、「良く書けている回想録に共通すること」を10分間出し合ったあとで、それをクラス全体で共有して、クラス全体の評価基準を作るのだ。
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ここまででかなり丁寧に授業を展開していると思うのだけど、実は一連のレッスンはまだ終わらない。長くなりそうなので続きは次回のエントリにしたい。