お楽しみ、ライティング・ワークショップで文学賞

中2のショートストーリーを書くライティング・ワークショップは、無事に全員が作品を書き上げて、完成品を読み合う段階になった。今週は、まず完成作品(本名ではなくペンネームです)をみんなで交換しながら読む回があり、そしてその次から「○○文学賞」という文学賞企画の回が始まっている。今回のエントリはその文学賞企画について。

目次

どういうもの?文学賞企画

そもそも、この「○○文学賞」企画、特に深い考えもなく「楽しそうだから」「うちの生徒は賞やコンテストが好きだから」で始めたもの。各クラスにおける一次選考(40作品→10作品)&二次選考(10作品→2作品)、そして有志生徒代表による最終選考委員会で、残った6作品から「大賞」「優秀賞」「優良賞」を決めるというものだ。それなりに盛り上がるイベントである。

なぜやる?文学賞企画

でも、やってみると「この企画やって良いな」と思える点もある。一番良いのは、「生徒と教師では良い作品の基準が違う」ということがまざまざとわかる、ということだ。教師から見た「良い作品」が、生徒から選ばれるわけではない。実際、過去には僕が一番評価をした作品が第一次選考を通過しないということもあった。評価の基準は一つじゃないし、教師1人が評価者になるのは不健全だ。文学賞は、教師がそれを体験できるイベントになっている。

また、選考の過程ではディスカッションがあるので、複数の生徒が一つの作品を巡って語り合う。その結果を、今回はGoogle Classroom経由で共有する。作者にとっては、こんなに嬉しいことはないと思う。自信にもなる。

文学賞をする際に留意すべきこと

でも、この企画をする時には注意すべきこともある。文学賞は、どんなに取り繕っても「優劣」を決めるイベントだ。それなりに残念な思いをする生徒も出てくるので、やらないというのも十分「あり」な選択肢だと思ってる。

最低限、文学賞をやる前には、完成をみんなで祝ってお互いの作品にポジティブなコメントを書き合う機会が、絶対に必要だと思う。文学賞イベントをするなら、その前に全員が嬉しい思いをしてから行うべきだ。

また、ペンネームにすること、気が進まない生徒がいたら作品提出を強制しないことなど、「共有しない権利」への配慮もいる。本名で公開を強制すべきではない。

教師も書いて出品しよう!

そして、僕がお薦めしたいのは、教師も一緒に文学賞に出品すること。これは、一次選考を通過するならするで良いし、通過しなければ、「先生も落選したんだ」と生徒をちょっとホッとさせることができるし、ネタとしても美味しいので、やって損することがない。評価される時の不安な気持ちや、落選した時の残念な気持ちを教師も味わえるという点でも非常におすすめ。

ちなみに僕は今回もあるクラスで生徒作品に混ぜて出品して、残念ながら一次予選を通過できず…。もちろん悔しいんだけど、これはこれで良いかという気持ち。断じて負け惜しみではないのである。断じて。

ということで作品提出後のお楽しみ、文学賞企画。ぜひ一度お試しください。そして、生徒と一緒に参加して楽しもう!

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