どこでも似た話があると思うけど、僕の勤務校でも「説明文や評論文は苦手!」という生徒が少なくない。先日、岩波ジュニア新書を手にとって「小説は読むけどこれはちょっと…」という子がいたので、「岩波ジュニア新書でも抵抗感のある子に薦められるシリーズってなんだろう?」とTwitterでお尋ねしたところ、プロフェッショナルの司書の皆さんから色々とご助言いただいた。せっかくなので、10代前半(小学校高学年〜中学生)向けの説明文・評論文系シリーズのブックリストとしてまとめてみよう。
目次
まずは定番? 新書の「岩波ジュニア」と「ちくまプリマー」
「10代向けの説明・評論のシリーズ」としてまず素人の僕でも頭に浮かぶのは「岩波ジュニア新書」と「ちくまプリマー新書」のシリーズ。
岩波ジュニア新書
ちくまプリマー新書
どちらも、ぼくにはとても馴染みのあるシリーズ。本当に易しいものもあれば、中には「これ高校生でも難しいんじゃ…」と思うものもあって、星印などで難易度の目安がほしいところだけど、僕が授業で紹介するのはこのどちらかであることが多い。ある司書さんは、「章ごとに内容が分かれているのもあるので、その一つだけでも読んでごらんと薦めることも」とおっしゃっていた。なるほど、ちゃんと読まないとできないことだけど、さすが…。
大きめで読みやすいシリーズ
新書だとどうしても文字が小さく、厚さも厚めになる傾向があるので、それに抵抗がある生徒向けには、選書サイズ(四六判ソフトカバー)を薦めるのも良いのかなとも思う。この分野は今後僕も開拓しなくては…。
よりみちパン!セ
理論社から出てイースト・プレスが復刊した「よりみちパン!セ」シリーズは、「王道」の岩波やちくまプリマーよりも、ちょっと視線をかえたテーマや切り口のものが多い。新しい刊行は少ないのがちょっと残念。14歳の世渡り術
河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズは、比較的初期のものを何冊か読んだことある程度。教えていただいて、「あー、そんなシリーズあったな」と思い出した。最近のはほとんど読んでないから目を通したいな…。世の中への扉
このシリーズは読んだことがあるの上記の一冊だけ(ちなみにタイトルは光村の教科書のと同じだけど、内容はちょっと違う)。タイトルを見ると理系の生徒が興味を持ちそうなのもあるから、今後開拓しないといけない。
15歳の寺子屋
こちらのシリーズも上記の一冊だけしか読んでない。「世の中への扉」と「15歳の寺子屋」はうちの図書館にも少ない気がするから、司書さんにもチェックをお願いしようかな…。
ちくまプリマーブックス
シリーズとしては終わってしまったけど、ちくまプリマーブックスは好きでした!内容もどちらかというと中高校生向けで充実してたと思う。まだ買える本もあるけど、本当はこのシリーズがまだ続いててほしかったな…。(一部の本はちくま文庫で再刊しているみたい)意外?絵本「たくさんのふしぎ傑作集」シリーズ
意外なところでおすすめされたのが福音館書店から出ている絵本「たくさんのふしぎ」シリーズ。僕も科学館で子どもと一緒に読んだ記憶がある。なるほど、読書に抵抗のある子にはいいかもしれない。とある国立中学校でも使っているとのことだし、易しすぎてダメということはなさそうだ。ものを選んで学校図書館に置いてもらってもいいかも?シリーズではないけれど
最後に、「シリーズではないけれど」と教えていただいたのがこれ。国語教科書界の雄・光村図書は、過去に教科書に採録された文章のアンソロジー「光村ライブラリー」というのを編んでいるそうだ。このうち、中学校編の第4巻が説明文を集めたものにあたる。
なるほど、こんなのもあるんだなあ。教科書の文章=短い文章が多いわけだし、強制されるのでなければ、良い出会いになるかもしれない。
これらの本が生徒たちの読書の世界を広げる窓口になればいいな。教えてくださったみなさま、ありがとうございました!
補足)後日の追加ぶん
この「中学生の質問箱」っていうシリーズ、まだぱらぱらめくった程度だけど、文字も大きくて読みやすそう。要チェックです。