二学期がはじまって二週間がたち、授業も無事に一巡した。高校の最初の授業は「留学お土産話」で切り抜け、その次からはちゃんと授業をしている。で、やはり使うことにしたのが大福帳。
目次
大福帳の基本的な使い方
大福帳については、過去にその効用を下記エントリで書いている。
また、ロカルノさんのブログ「ならずものになろう」でもかなり詳しくとりあげているので、正直な所、目新しい情報提供はない。基本的な使い方についてはそちらを見てほしい。
ならずものになろう
振り返りに便利な「大福帳」その1
http://s-locarno.hatenablog.com/entry/2016/07/23/163449
振り返りに便利な「大福帳」その2
http://s-locarno.hatenablog.com/entry/2016/08/24/145854
振り返りに便利な「大福帳」その3
http://s-locarno.hatenablog.com/entry/2016/08/25/161022
大福帳か、ノートか?
実は今回、大福帳で行こうか、福井県立若狭高校の渡邉さんに倣ってノート提出にしようか、ちょっと迷っていた(下記エントリ参照)。
渡邉さんの授業を見てノートの威力を感じたので、相当迷った。でも結果大福帳にしたのは、「おそらく自分は生徒への返信コメントを書いてしまうだろう」「そうした時に分量に制限のないノートだと対応できないだろう」という理由から。
渡邉さんは生徒のリフレクションを深め教師が生徒の学びを看取るという目的でノートを課しているのだけど、僕は結局のところ、教育目的よりも単に生徒の声を聞けるチャンネルが一つ増えるのが嬉しいだけなのかもしれない。
大福帳にどんな機能を求める?
大福帳には、色々な使い方がある。生徒のリフレクションをうながすためのツールとして。教師が生徒の学習状況を把握するためのツールとして。生徒の考えを共有するためのツールとして。こうした様々な役割がグラデーションで存在している。
僕も色々な使い方をするけど、でも一番好きな使い方は基本的に「コミュニケーションツール」なのだと思う。コメントも別に授業のことに限っているわけではないので(こっちが指定する場合もある)、おそらく生徒のリフレクションにはあまり役立たない。その代わり、生徒の個性をちらっと覗いたり、そこでのちょっとしたやり取りを楽しむためのものになっている。
今回も、「あすこまさんの授業がまた受けられてうれしい」という嬉しいコメントあり、「眠い…」というつぶやきあり、そして「実は自分も毎日ブログを書いていて…」という授業外の話題ありと、生徒が書く内容は多種多様である。僕はとても記憶力が悪いので、こういうやりとりがあるとエピソードごと生徒のことを覚えられるのがうれしい。
もちろん、授業の感想や意見を書いてくれる生徒も多くいて、教室の理解度をなんとなくとらえる目安にはなるし、次の授業ではそこから疑問や意見をとりあげて授業を組みたてることもできるので、そういう意味でもかなり便利なツールだ。
投じる価値のある4時間
この大福帳、一回ぶんにコメントを書いていくのに2時間かかる。週2回の授業なので一週間では合計4時間のプラス作業。忙しい中、わりと無視できない量の負担である。でも、このおかげでかなりインタラクティブな感じにはなるのだから、僕にとっては、この4時間は投じる価値のある4時間なのだ。