今年度は、コミュニティづくりについて、実践を通して学ぶ一年に。

4月以降、ハードな日々が続いている。特に先週は、イレギュラーな「生徒指導」的案件も入ってたいへんだった。でも、そんな中で、自分がたくさんの同僚に支えられていることも感じた一週間だった。そして、最後の金曜日に印象に残る出来事もあった。今回は、そのことを忘れないように書き記しておくエントリ。

写真は、群馬県の鬼押出し園から見える浅間山(前掛山)。昨年から噴火レベルが2に上がった浅間山。うっすらと噴煙が立ち上ってますね…。右隣の黒斑山(浅間山外輪山)と並んで、「寝観音」にも見立てられているそう。

 

目次

今年の課題は「コミュニティづくり」

いまの自分の関心事は、新しい56年LGをどうやって良いコミュニティにしていくか。個々の学びがぐっと深まっていくためにはチャレンジのできる安心・安全な場が必要で、そのためには、コミュニティづくりは大事な要素である。

僕がコミュニティづくりの大切さを意識するようになったのは、去年一緒に学年を組んだあっきー(木村彰宏さん)の影響が大きい。そして去年は春先(2022年4月)に書いたエントリの通り、たしかに「子どもたちの人間関係づくり」について学べた一年だった。

この一年、「子どもたちの人間関係づくり」を学んでいきたいな、と思えた一週間でした。

2022.04.24

でも去年の「学ぶ」は、あっきーがやっているのを「見て、解説してもらって学ぶ」に近い。そして、今年はあっきーのようなPAのスペシャリストが同じ学年スタッフにいない。だから、おのずと自分がみんなと一緒に「実践して学ぶ」しかない。そう思って、年度当初に校長のゴリさん(岩瀬直樹さん)に、担任時代のクラスの人間関係づくりの実践を聞いた(下記エントリ参照)。

授業を通して子どもの関係性をどう作っていくの? 風越の校長(ゴリさん)に聞いてみた。

2023.04.13

また、新しく風越学園のラーニングセンターに関わってくださることになったあやや(中川綾さん)に、彼女が開発したトーキングテーマトランプ「シャベリカについて遊びつつ教えてもらったのも4月のこと。4月下旬には、KAIさん(甲斐崎博史さん)とあっきーによるPAの本格連続講座 Adventure in the Classroom もスタートした。

でも、年度当初に少し学んだくらいで、うまくいくはずはない。LGがはじまって一ヶ月しても、LGの現状はまだまだ課題が多い。どうしたら良いコミュニティが作れるのだろう、ということを考えていた。

ゴリさんのファシトレの講座

でも、それが変わりそうな予感を、今週は手に入れられたと思う。そしてその予感も、やはり僕自身ではなくて同僚の手によってもたらされた。

突破口のひとつは、ゴリさん(岩瀬直樹さん)のファシリテータートレーニングの講座。風越には、あるホームの子の「ホーム運営がうまくいかない」声に応えたゴリさんが、子どもたちにファシリテーションのお稽古をしてくれる時間がある。ゴリさんも積極的に子どもたちに声がけして、参加者がどんどん増えている。そこで場づくりの面白さを体験し、その仕組みを解説してもらった子どもたちが、ホームでそれを実践してみる。ゴリさんの超一流プレイヤーとしての強みが最大限に生かされている場で、ホームだけでなくLGでの子どもの動きも根っこから変える可能性がある、面白い動きだ。

本当はこのファシトレをゴリさんだけでなく各スタッフができるのが理想なので、僕もできるだけこの講座に出てみたい。

そして、昨日の金曜日。2時間連続の内科検診で生じる待機時間を過ごすために、僕たちスタッフが考えたアクティビティが全くダメだったようで(トホホ…)、急遽、6年生が自分たちで過ごし方を考えることになった。そのとき、ゴリさんのファシリテーション講座を受けている子が中心になって、どう過ごすかアイディアをまとめていってくれたのだ。なんともゆるくみんなで遊ぶ時間が過ぎていって、その素敵さに、僕は思わず最後に円になった時に「みんなならできるから、一緒にいいコミュニティを作っていきたい」と6年生に語りかけていた。

風越版シャベリカをつくる

もう一つのきっかけが、木曜日の国語の授業。この日、あやや(中川綾さん)に授業に来てもらって「居心地の良い場づくり」のレッスンとして、「シャベリカ」を使っておしゃべりをして混ざり、その後に「シャベリカに入れるテーマ」を出し合ってもらったのだ。「居心地がよくなるには、まずはお互い知り合わなきゃね」でシャベリカをはじめた子どもたちがけっこう色々な子と話してる。その後のテーマの出し合いもいい感じ。その様子を見て、ふと、「明日までにこのシャベリカのテーマをカード化して、明日のLGの時間でやったらいいんじゃ…!」と思いついた。

その日の午後も夜も予定がつまっていたので、本来とうていそれは無理だったのだけど、「いいよ、やるよ」とあややがデータをスプレッドシートに整理してくれ、同じ学年のニシム(西村隆彦さん)がそれを名刺大のカードにしてくれて、なんと僕は「言ってみただけ」なのに「風越版シャベリカ」ができてしまった….!

そして金曜は、内科検診のあとのLGの時間で、この「風越版シャベリカ」を使ってみんなでおしゃべりした。5年生と6年生で交互にサークルを作る時も、6年生がスッと動いてくれた。ペアや4人組でシャベリカを使ってくだらない話をたくさんする。市販品よりも、やっぱり自分たちで作ったシャベリカのほうが、ぐっと盛り上がる。

その後の帰りの集いは、Adventure in the Classroom でKAIさんに教えてもらったペーパータグのアクティビティをしたけど、そこでもみんなの様子が楽しそう。その様子を見ながら、「これから良いコミュニティに育っていけるんじゃないかな」という前向きな予感を抱けて一週間を終われたのが、個人的にはとても良かった。

実践者としてコミュニティづくりの場にたつこと

この日は、色々なことが重なって、ここに書いた他にも、本当にいろんなスタッフの助けを借りながら、なんとか立っていられた日だった。でも、そうやって自分が同僚に支えられていることが実感できた、良い日だったと思う。

金曜日は、ゴリさんのファシトレとか、あややのシャベリカとか、KAIさんの講座とか、いろんな要素がからまって良い終わり方ができた。自分が起こした動きも、そうでないものも、いろんなことがつながってこの日ができて、ものごとのつながりを実感できた。そういう、ご褒美みやいな日が、年間に何度かある。この金曜日は、そんな一日だったのだと思う。

今年は、「誰かがやっているのを見て学ぶ」ではなくて、自分が実践者としてコミュニティづくりの場に立つ年。LGスタッフはもちろん、それ以外の同僚の力も借りて、集団づくりの場に立ち続けよう。大げさに言えば、その覚悟ができた一週間の終わりでもあった。この思いを忘れてしまう前に、こうやって書き留めて残しておこう。

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