軽井沢風越学園は明日から新年度です。というわけで、日記系ブログにふさわしく新年度の抱負など。
楽しみ!新しい国語科スタッフ2名
風越は今年度、超強力な国語科スタッフ2名を迎えた。一人は工学院大学附属中高で司書教諭・国語科教諭を勤めていた有山裕美子さん(風越での呼び名は「ゆっこ」)。司書教諭としてはデジタル社会における新しい学びの拠点としての新しい学校図書館像を打ち出すなど、様々な先進的な取り組みをなさってきた方だ。国語教師としても高校で教えてこられたキャリアをお持ちで、風越のライブラリーを使ってどのような授業を展開されるのか、本当に楽しみ。
そしてもう一人は、港区立赤坂中学校の甲斐利恵子先生(風越での呼び名は「りんちゃん」)。こちらにだけ「先生」と敬称をつけてしまうのは有山さんに申し訳ないのだけど、それでも僕にとってはナンシー・アトウェルに続いて「先生」とお呼びしたくなる人なので。この人の授業に感銘を受けて、2018年度に何度も授業見学をさせていただいたことは、こちらの連載記事に書き残している。
この記事の時点ではまさか同僚になるとは夢にも思わなかったのだけど、ちょうどご年齢的に公立でのお仕事の次を考えていらした頃に、風越が国語科の公募を出していたとはなんという幸運….!
4月1日からなかなか国語の打ち合わせをする時間がなく、今日、この2人とようやく一時間くらい落ち着いて話せたのだけど、そんな短い時間でも読書文化をどう作るか、漢字指導をどうするかなど、いろいろな話ができて、アイディアも浮かんできた。こんな頼もしい先達2名と教師生活をともにできる幸運を噛み締めながら、お2人から吸収できるものを精一杯吸収したいと思う。
週に1度、野外保育に入ります
もう一つ、今年の挑戦として、幼稚園から中学まである風越学園の環境を活かして、週1回水曜日に野外保育に入ることにした。理由は2つ。一つは、去年ホームを同じくした尊敬する同僚(今は公立に戻ったので元同僚だけど…下記エントリの女性スタッフです)が「保育に入るといいよ」と勧めてくれたこと。
僕は文字情報には強いけど、非言語情報の読み取りは正直言って苦手。感度が決定的に鈍いなと自分でも自覚している。そんな僕に、元同僚が「幼児は言葉でうまく伝えられないから、表情や仕草からその子の願いを読み取るいい勉強になりますよ」と勧めてくれたのだった。僕に天性の素質はなくても、ある程度は訓練してできるようになるはず、と期待してる。それは、僕の国語の授業にも長い目でプラスになるはず。
保育に入りたいもう一つの理由は、同僚のすごさをちゃんと体感したいと思ったから。僕は去年、2人の小学校教師出身のスタッフと一緒のホームで、本当に良かったのだけど、それは「小学校の先生のすごさ」を色々な場面で感じることができたから。やっぱり、一緒に働く上で「敬意を持つ」って大事だと思う。特に僕の場合は周囲と考えの違いもそれなりにあるだけに、相手にきちんと敬意を持っていたい。風越の保育スタッフの力量が凄いらしいのはすでになんとなく感じているのだけど、今年はそれを実際に現地で、肌で感じてみたいと思う。
そして、それでもやっぱり自分は根っからの国語教師なので(どんなに周囲の幼稚園・小学校スタッフがすごくても、幼稚園とか小学校の先生になりたいとは思わないので)、人間の言葉の発達を3歳から15歳まで通して観察して、子どもの言葉の学びについて考えたい。こういう経験も、風越じゃないとできないことだろうしね。
僕はたぶん「野外」も「保育」も最も心理的距離が遠い方のスタッフなので、言い出したはいいものの、けっこう不安もあるかなー。実際、この希望を初めて校長の岩瀬さんに言った時には、めっちゃ隙を突かれた「ええ?」みたいな反応をされた(笑) 正直、自分でも「向かない」だろう自覚はある。でも、学べることはあるはずだし、何より自分から言い出したからには、1年間最後までちゃんとやりきって、力もつけて、保育スタッフに迷惑をかけすぎないようにする。うん、くじけそうになったらこのエントリを読み直して頑張ろう。
というわけで、去年よりも楽しみの多い新年度の始まりです。もう40代半ばに近いけど、国語を教えるプレイヤーとしてまだまだ伸びられたらいいな。筑駒時代と同じような教材研究はできないから、しばらくは違う方面から伸びるしかない。その成長の種は、自分の職場の中にたくさんあるはずだ。今年はそれを大事に育てる、そんな一年にしたいと思う。