下記エントリで書いたとおり、ルーブリックに対しては否定的な印象のあすこまですが…今年は少しは勉強しようと思ってます。
そこで、まずはこんな薄い本を手にとってみた。今日はこの本の中の「加筆式ルーブリック」についてメモがわりに書いておく。
評価について現場目線で解説されている本
この本、「評価はもともと学び手の成長を助けるためのもの」という信念に裏打ちされた本で、薄いながらも、テストやパフォーマンス評価をはじめ、色々な論点が網羅されていて、とっつきやすい。著者たちが断っているように教育評価の専門家たちによる本ではないものの、教育評価に関心のあり、それぞれの現場で実践されている方たちの執筆なので、現場にいる僕には共感できる部分が多いのだ。それに、「評価は成長を助けるためのもの」というのは真理だよね。昔読んだ、吉田新一郎さんの本を思い出すなあ。
「加筆式ルーブリック」とは
この本のパフォーマンス評価について扱った章で、筆者が試みているという加筆式ルーブリックがちょっと気になった。これは、学生のポスター発表を相互評価する時のルーブリックで、評価の観点に応じて「残念なレベル(C)」「やや不満が残るレベル(B)」「教師が期待しているレベル(A)」「教師の期待を超えたレベル(S)」の4つの段階があるのだが、BとSについては、空欄になっているのである。
相互評価に使えるかも?
ルーブリックを使った相互評価って、すでに記述されているルーブリックに機械的に(やや惰性的に)あてはめていくだけの作業になりがち。でも、この「加筆式ルーブリック」だと、「やや不満が残る」や「教師の期待を超えている」場合に、評価をする側もその評価の意味を具体的に考えながら書くことになるし、評価をもらう側も、単に観点にマルをつけて返されるよりも、よほどちゃんと聞いてもらってフィードバックをもらえることになる。
相互評価、よくルーブリックの本で書かれているように、いちから評価基準を一緒に作るのが一番いいのかもしれない。けど、そこまで時間をかける気にもなれないし、もし相互評価をするなら、そこそこお手軽そうな加筆式ルーブリックを使ってみようかなあと思った。
同じ評価基準を共有するのではなく、ひとりひとりに自分の評価基準を持たせて、お互いの作品や評価基準を見通せるようにすると、生産的な発見や気づきがたくさん生まれると思います。「評価基準も」読みの対象にする。
時間があればそういうのもやってみたいところですよね。アトウェルも、ルーブリックではないのですが、生徒一人ひとりに「良い作品の特徴」を作らせていました。