In the Middle読書日記。このところGlobal Teacher Prize受賞関連のことが多かったけど、久しぶりに本編に戻って本の読書記録を。下記エントリで書いたように本は第2部のGenre Studyに入り、いま、Chapter9のPoetryを読んでいるところ。
▼
で、まず明白なのは、アトウェルは詩というジャンルを非常に重視しているということだ。すでに下記エントリで書いたように、彼女は毎回のワークショップを詩を読みとく(unpackと彼女は言う)ところからはじめるし、詩を読むことに特化した本Naming the Worldも出版している。また、ライティング・ワークショップでも最初に書くジャンルは詩だ(p317)。この本でも、詩についてはGenre Studyの最初に扱い、費やすページ数は他より断然多い100ページ超。
当然僕には、なぜそんなに詩を重視するのかという疑問があった。もちろんアトウェルが文学好きで詩が好きだからというのがベースにはあるだろう。でも、それだけなのか?
▼
そういう疑問に、アトウェルは次のように答えている。第一に、詩には様々な言語技術がコンパクトな形で詰め込まれていて、書く技術を教えるには最適であること(p317)、第二に、詩は短いので最初の一ヶ月で2〜3つ書けること。したがって、すぐに改善できて動機付けにもなること(p318)。
なるほど、アトウェルは、詩を書くことと文章を書くことを同一の平面上で捉えていて、一般に文章を書く技術のエッセンスをコンパクトな形で学べるのが詩だ、と思っているようだ。一つの作品が短いから短期間で書くサイクルを何度も回せる、という点はなるほどと思わされた。
▼
そしてずっと先の方に進むと、こんなことも。どうもこのあたりが、アトウェルの一番の理由な気がする。
詩は、生徒にとってとても便利なものだ。詩は、彼らを安全な場所で守ることも、成功を保証することもしない。彼らの傷を癒すことも、お金持ちにすることもない。けれど、詩は彼らに技術とはどういうものかを教えてくれる。詩は生徒の感覚を研ぎすまし、心を開く。詩は生徒を慰め、ひらめきをあたえ、声と、自分の生活を経験するための意味をあたえる。(p404)