[読書]これぞ精読の面白さ!「扇の的」の魅力に気づく、野中哲照『那須与一の謎を解く』
国語教育の教科書で圧倒的なシェアを誇る光村図書。その中学校2年の教科書に掲載されているのが、『平家物語』の「扇の的」の章段だ。東国の若者那須与一が、船の上の扇の的を見事に射抜いて喝采を浴びる名場面である。本書、野中哲照『…
国語教育の教科書で圧倒的なシェアを誇る光村図書。その中学校2年の教科書に掲載されているのが、『平家物語』の「扇の的」の章段だ。東国の若者那須与一が、船の上の扇の的を見事に射抜いて喝采を浴びる名場面である。本書、野中哲照『…
鈴木宏昭『私たちはどう学んでいるのか』をとても面白く読んだ。一言で言うと「教師が予定したように生徒が学習するなんてありえないよ。それは「教育ごっこ」に過ぎないよ」と主張する本で、それを踏まえて、じゃあ人間はどう学習するの…
風越は夏休みに入るのが遅く、二学期が始まるのが早い(若干の恨み節感あり…笑)。とはいえ、やはり夏休みに入るといつもより時間の余裕も生まれてゆったり本も読める。数えたら今月は16冊と、やはり冊数的にも多い方だっ…
岩下修『イラスト図解:AさせたいならBと言え』を読んだ。1988年刊の同著者による『AさせたいならBと言え』にイラスト図解を加えて具体例を大幅に書き換えた令和版とのことである。1988年版については、SNSで何度かその名…
H.リン.エリクソン他『思考する教室をつくる 概念型カリキュラムの理論と実践』を再読した。国際バカロレアのカリキュラムに導入されたこともあって注目度の高い「概念型カリキュラム」についての本で、個人的には、この本を翻訳した…
『子どもに学ぶ言葉の認知科学』に続いて、同じ著者の広瀬友紀『ことばと算数 その間違いにはワケがある』を読んだ。最近読んだ今井むつみ(他)『算数文章題が解けない子どもたち』と同じく、算数における子どもの間違いの理由を探る本…
2022年7月の読書記録です。仕事が大変で超低空飛行だった6月を乗り切り、7月、特に月の後半は本をゆったり読む精神的余裕も出てきました。読んで良かった&面白かった本にも出会えたし、一息つけた感じです。というわけで、 ノン…
2017年の広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』は、子どもの言い間違いを「言語について探究するプロセスで推測をした結果のエラー」とポジティブに捉えて、僕たちが普段気づかない言語のルールについて深掘りするという、とても面白い…
僕は今、勤務先の軽井沢風越学園で、5・6年のラーニンググループを担当している。で、直接教えているわけじゃないんだけど、気になるのが「算数ができない子」。算数は、得点ではっきり結果が見えてしまうぶん、しんどい子にはとてもし…
「上達論」は武術の本なんだけど、学ぶことについて示唆的な面白い本。著者の一人甲野善紀さんは古武術の研究家で、武術の稽古から得た身体技法を音楽や医療や色々な分野に応用することを提言している人。で、ぶっちゃけて書くと、僕はも…