[読書]内省的で、しみじみと美しい作品。宮下奈都『羊と鋼の森』
「ピアノで食べていこうなんて思ってない」「ピアノを食べて生きていくんだよ」。物語の後半、高校生の和音が表明した決意の言葉に、ぞくっとした。たぶん、多くの読者がそうだろうと思う。そんなピアニストたちを陰で支えていくピアノの…
「ピアノで食べていこうなんて思ってない」「ピアノを食べて生きていくんだよ」。物語の後半、高校生の和音が表明した決意の言葉に、ぞくっとした。たぶん、多くの読者がそうだろうと思う。そんなピアニストたちを陰で支えていくピアノの…
今日は仲間内の勉強会だった。その帰り道、他校の先生と「探究型学習のテーマ探しをどう指導するかって難しいですよね」という話になった。このテーマ探し、「◯◯について」という形で済ませて先に進んでしまうと、問題がぼやけてしまっ…
以前に読んだ『また、同じ夢を見ていた』の住野よるのデビュー作。2016年本屋大賞の第二位作だし、生徒も読んでいるので読んでみたのだけど、うーん、なんというかこう、男子校出身アラフォーが読むには甘酸っぱすぎる小説だった(笑…
無藤隆さんが「保育Lab」で連載していた「ときがたり 質的研究入門」が完結したそうなのでお知らせします。 ときがたり 質的研究入門 https://sites.google.com/site/hoikulab/home/…
結論から書くと、この本は僕にとってとても良い本だった。だから、僕と似ている人にこの本を薦めたい。つまり、学術的な裏づけも意識しつつ授業をしたい国語科教員や、国語科の領域をフィールドにした研究に関心のある国語科教員にはうっ…
下記の本にひきつづき「中学生が読んでいる本を読んでみよう」と思って司書さんに紹介されて手に取った本。 2013年の本屋大賞にノミネートされ、映画化もされたベストセラー。脳腫瘍で余命が残り少ないことを知らされたオタク気質の…
「中学生が読んでいる小説を読みたいんですけど」と司書さんにお願いしたら貸してくださった。デビュー作「君の膵臓を食べたい」が話題になった著者の第二作。 主人公は小学生高学年の小柳奈ノ花。「馬鹿な子」ばかりの学校には友達がい…
おそらく僕の勤務校の司書さんが好きな作家である、原田マハ。他の本を返しに行く時に図書館で面出しされていたので、ふと気が向いて借りた。6つの短編からなる短編集。 どれも、自分の親が老齢になっている、あるいは亡くしている中年…
帰国して最初に学校図書館で借りた芥川賞受賞作。面白かった。ネタバレも含んだ感想を手短に。 とても合理的な思考をして周囲の人たちから浮いてしまう「私」が、「コンビニ店員」という役割を上手にかぶって30代半ばまでの人生をやり…
北海道の上士幌町にある中学校で国語の教師をされている石川晋さんのエッセイ集。肩の力を抜いた闘いの記録である。 自然体の授業をする公立中学校の先生 個人的なことを書くと、僕は2012年の冬に、北海道まで石川さんの授業を見学…