[読書]いかにして虐殺者になったのか。クリストファー・ブラウニング『普通の人びと』
戦争になると、多くの国で職業軍人だけでなく、警察官や市井の人々が動員される。第二次大戦期のドイツでもそうだった。この本は、綿密な史料を元に、第二次大戦期に第101警察予備大隊に編入され、ユダヤ人の虐殺(ホロコースト)に関…
戦争になると、多くの国で職業軍人だけでなく、警察官や市井の人々が動員される。第二次大戦期のドイツでもそうだった。この本は、綿密な史料を元に、第二次大戦期に第101警察予備大隊に編入され、ユダヤ人の虐殺(ホロコースト)に関…
演説の名手であり、その力で国民からの強力な支持を得たヒトラー。現代でもYou Tubeなどで彼の演説を見ることができるが、そういう場で見られるのは、一部だけ切り取られたいかにも「ヒトラーらしい」演説である。では、ヒトラー…
小学校5年生の時にクラスで飼育していた金魚を殺したという疑惑でいじめの対象となった主人公の深作日都子(ヒトリコ)。それ以降、クラスの人々からかたくなに心を閉ざして生きていく彼女を中心に、周囲の人々の様子を描く。小学館文庫…
物事に熟達した人、いわゆる「名人」や「達人」たちは、僕たちと何がどう違うのだろうか。それを考えるヒントになる本。ある分野で熟達しようとする人、そして「熟達を目指す人=探究人」を育てる立場にある人におすすめの本。 [ad#…
猪原敬介『読書と言語能力』(1)読書教育編の続き。この本の柱は「読書をすると言語力が高まるのか?」という問いに答えることなのだけど、その答えについてふれた下記エントリは、いわばミステリ小説の結末だけ明かしたようなもので、…
中学2年生の国語の授業は、定番教材の「走れメロス」に入ったところ。といっても、授業回数も少ないので「メロスとセリヌンティウスの友情!」みたいな話には全くふれないで、文体について学ぶ材料として使うつもり。読み直してみると「…
ピカソの巨大なキャンパス画「ゲルニカ」は、僕に取ってなじみの薄い作品だった。ぎょろりと剥いた大きな目を持つ牛。バラバラになった手足をありえない方向に伸ばしている人々。奇妙というよりも醜い印象を受けたその絵は、僕の中で「ス…
「ピアノで食べていこうなんて思ってない」「ピアノを食べて生きていくんだよ」。物語の後半、高校生の和音が表明した決意の言葉に、ぞくっとした。たぶん、多くの読者がそうだろうと思う。そんなピアニストたちを陰で支えていくピアノの…
今日は仲間内の勉強会だった。その帰り道、他校の先生と「探究型学習のテーマ探しをどう指導するかって難しいですよね」という話になった。このテーマ探し、「◯◯について」という形で済ませて先に進んでしまうと、問題がぼやけてしまっ…
以前に読んだ『また、同じ夢を見ていた』の住野よるのデビュー作。2016年本屋大賞の第二位作だし、生徒も読んでいるので読んでみたのだけど、うーん、なんというかこう、男子校出身アラフォーが読むには甘酸っぱすぎる小説だった(笑…