[読書]現場教員が歴史研究を読む意義を考えさせられた。中村敦雄「国語科教育における能力主義の成立過程」
中村敦雄「国語科教育における能力主義の成立過程」を読みました。読みの指導において「能力」がどのように定められ、指導されてきたかを論じる国語科教育史の本。本文でも650ページする本なので軽く目を通すだけのつもりが、面白くて…
中村敦雄「国語科教育における能力主義の成立過程」を読みました。読みの指導において「能力」がどのように定められ、指導されてきたかを論じる国語科教育史の本。本文でも650ページする本なので軽く目を通すだけのつもりが、面白くて…
ご自身も不登校の当事者だった貴戸理恵さんは、不登校問題を軸に「コミュニケーション能力」と言われるものについての論考を書き続けている。『「コミュニケーション能力がない」と悩む前に』で、本当は人と人の間に発生するはずの「コミ…
小学校を舞台にした理科の本格的な探究学習の本であり、同時に、「実の場」を得た国語の読み書きの本でもある。チャールズ・ピアス「だれもが<科学者>になれる」は、その2つの性格を合わせ持った、とても面白い本でした。…
新年のレビュー第一弾は、レトリックの研究者として知られる瀬戸賢一さんの新刊「書くための文章読本」。これまで色々な文章読本がありますが、「文末表現」に焦点を絞った、とてもユニークで詳しいレトリック本でした。同じ瀬戸さんの「…
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、本屋大賞ノンフィクション大賞をはじめとして、複数の賞を授業している今年評判のノンフィクション。イギリスのブライトンで「元底辺中学校」に進学した息子さんとの…
自分の意見を相手に伝える時、例えば科学的な研究結果など、信頼性の高いデータを用意して相手を説得する。国語の意見文や討論のモデルでもよく見るこの構図は、実際には機能しないことも多々あります。意見の異なる相手が、論理やデータ…
毎週お邪魔している地元公立小の4年生の教室で、10月に学級の本棚のリニューアルがありました。その際に、クラスの本が貸出も可能になったので、せっせと毎週本を借りています。たまたまそのクラスに森絵都が好きな女の子がいたので、…
今日のエントリは、つまみ食い読書。西尾実国語教育全集にある教師教育論からの個人的メモです。 長野県に引っ越して初のゴールデンウィーク、家族でブックオフ巡りをしたら、某店に西尾実国語教育全集が全巻まとめて売ってあって「おお…
僕は自分の「直感」「経験」「信念」をあまり信じたくないタイプです。もちろんどんな教育も実践者の信念に影響されないはずはないのだけど、どんな優れた教師でも、その直感は無謬ではないし(いわんや自分をや…)、信念は…
吉田新一郎さん訳のシリーズを継続して読まれている方には「今さら」になりますが、2017年刊行のこの本の感想を。前に読んだときは「ライティング・ワークショップとかの枠組みの本だな」とさらっと流してしまったのですが、再読して…