風越学園でも新年度の登校が始まりました。僕は今年も56年生のラーニンググループの担当です。実はこの春休み、国語の授業に向けて、早朝出勤や休日出勤をしてせっせと頑張ってきたことがあります。今日はそれについてのエントリ。
国語教室を一気に模様替え
頑張ってきたのは、僕の拠点となる国語教室の模様替え。下記エントリにも書いたように、国語教室の環境整備は、ここ最近の僕の関心の一つ。ただ、子供たちの無意識に働きかける教室環境の重要性は言うまでもないことながら、まとまった時間がないとなかなか取り組めません。
そこで、この年度の切り替え時期に、前職がデザイナーの同僚・ニシム(西村隆彦さん)の全面的なサポートをいただいて、えいやっとがんばりました。絨毯の赤床エリアにプラスチックダンボールを貼って一年間の足跡を掲示できるようにしたことにはじまり、room00と呼ばれる教室の机の向きを見直し、高さを調整し…本棚の辞書を手に取る高さを見直し….。いろいろやったけど、机の向きを変えるだけで教室が広く感じるようになったのにはちょっとびっくりしましたね。
作家ノートギャラリーが完成
そして、この模様替えで一番力を入れたのが、「作家ノート」を掲示する「作家ノートギャラリー」を作ったこと。もともと、出来上がった作品よりも、そのプロセスにある作家ノートにこそ子供たちの創造の本質があると考える僕は、作家ノートの価値を伝える展示ができないかずっと考えていました。これまでもフォトスタンドなどに入れたことはあったけど、なかなか常時掲示するのが難しく、今回、ようやく「作家のギャラリー」という形で、そのアイディアが実現したわけ。本棚を黒い壁でおおって、そこにフォトフレームで作家ノートを展示したり、棚を抜いて過去の作品集や過去の作家ノートを展示したり…頑張りました。

「歴史」を感じる空間にしたい
このギャラリーには、2022年度から2024年度までの56年の子供たちの作家ノートを掲示しています。上は現在9年生から、下は6年生まで、風越学園のいろんな世代の子のノートがここにある。ここ数年、56年生を持つことが続いていることもあり、僕の思考は、風越学園の作家の時間の「歴史」をどう可視化するかという方向に動いています。過去の作品集からミニレッスンを作ってみたり、書き出し選手権の歴代優勝作品をガラスに掲示したり、先輩たちがマイプロジェクトで作った本や冊子を展示したり…風越学園で根付き始めた「作家の時間」の歴史の中に子供たちが自分の身を浸すことで、自然と「自分も書くんだ」「書きたい」と思えるようにしたい。今の僕は、そうやって時間を味方につけ、「作家の時間」を風越学園の歴史にしようとしているんでしょうね。
文具や創作ツールキットのある作家コーナーの整備、書き出し選手権の歴代優勝作品をガラス窓に貼った「書き出しの殿堂」、そして今回の「作家ノートギャラリー」の完成で、2024年度から続いた環境整備もひとまずはひと段落。あとは子供からのフィードバックももらって、調整していく段階かな。それにしても、ここ最近の教室整備は、昨年度末に退職したざっきー(山﨑恭平さん)やニシム、そしてラボのこぐま(岡部哲さん)など、デザインやものづくりが専門の同僚なしでは絶対になしえなかったもの。こういうふうにいろんな人に助けてもらえるの、本当に恵まれた職場だなと思う。改めて感謝。そして、ようやく整ってきた国語教室で2025年度の「作家の時間」「読書家の時間」をはじめるのが、楽しみになってきました!