風越学園では今週の木曜にアウトプットデイがあり、その翌日のふりかえりをもって第2タームのテーマプロジェクトが終わった。今回、僕は「音楽」を中心に、それに絵画の鑑賞をからめたテーマプロジェクト「わたしとあなたでつくる音」のメイン設計スタッフの一人を担当。強力な相棒スタッフ2名に助けられたのはもちろんのこと、音楽家の方や美術館の学芸員の方などの助けも借りつつ、青息吐息でなんとか完走した。今日はそこから学んだエントリ。
面白いぞ、音楽の教科書
今回のテーマプロジェクトの設計段階で面白かったのは、小学校の音楽の教科書。小学校の音楽は、ざっくり「A表現」と「B鑑賞」の2領域に分かれているのだけど、そのどちらにも共通する学習事項として、「音楽を特徴づけている要素」と「音楽の仕組み」が設定されている。
音楽を特徴づけている要素….音色、リズム、速度、旋律、強弱、音の重なり、和音の響き、音調、拍、フレーズなど
音楽の仕組み…反復、呼びかけとこたえ、変化、音楽の縦と横の関係
教科書を見ても、この「要素」と「仕組み」が「表現」と「鑑賞」の両方に共通することが明確で、このつくりにはちょっと感心してしまった。というのも、これは国語で言えば、「読むこと」と「書くこと」に共通する要素が明確になっているということだ。国語だって読むことと書くことは本来は別の活動ではないのだから、共通点を明確にすることは可能だけど、教科書ではなかなかそんなふうにわかりやすく明示はされていない(最近チェック不足だったらごめんなさい。もしあったら教えてください!)。
読むことと書くことをつなげる
というわけで、今回のテーマプロジェクトで音楽の教科書を読んだことをきっかけに、「国語でも読むことと書くことに共通する要素を明確にできないかな?」という問題意識が強くなっている。きっと誰かがすでに整理しているはずだと思ってほうぼうに話していると、昨日、オンライン打ち合わせをした大学の先生から「ちょうどそんな本がありますよ」が紹介されたのが、Literacy Workshopという本。
タイトルを聞いて、あれ、この本持ってるはず!と思って調べたら、やっぱり持ってました(笑) 3年前に、作家の時間と読書家の時間をもっと統合できないかと思って、この本を買って、パラパラ読みしてた。わー、3年前のことなのに、すっかり忘れているよ。なんでこの試みをやめちゃったんだろう、自分。
というわけで、3年前の自分の問題意識に、テーマプロジェクトをきっかけに音楽の教科書を読むことで再会してしまった。読むことと書くことを、もっとシンプルにつなげられないかな? 良い機会なので、この問いにもう一度むきあってみたい。