導入は俳句づくりのゲームから!「取り合わせ」に再挑戦の今年の俳句の授業

今日は一学期の授業のふりかえりエントリ。ちょっと前のことだけど、7月、作家の時間の作品集を作ったあとに、全6回の俳句創作の授業をした。今年度は去年の俳句創作の基本方針を踏襲しつつ、カードゲーム「57577」の真似をして、導入としてカードゲームをした。

画像は、今回作ったカードゲーム。ピンクの季語カードと白の12音カードを組み合わせて俳句を作る。「コカコーラ」が「コラコーラ」になってるあたり、相変わらずツメが甘いぞ…

目次

「取り合わせ」の俳句に再挑戦

俳句創作の授業、昨年は「575作文になるのを避ける」ことを目標に、「取り合わせ」の句を教えようとした。終了時には「小学5・6年生にどこまで求めるのがいいのかな」と考えもしたけど(下記エントリ参照)、結局今年も同じ基本方針で臨むことに。ただ、「取り合わせ」を理解するのがやはり難しそうだったので、そこをブラッシュアップすることに。

小学生にどこまで求める?俳句創作の授業ふりかえり

2021.10.09

ちなみに、今年の参考文献は、下記エントリにある本に加えて、次の本も利用しました。

[読書]俳句創作の授業づくりのためのブックリスト

2021.09.11

57577を参考に、俳句づくりゲーム

ブラッシュアップのヒントになったのが、短歌を作るカードゲーム「57577」だ。5音カードと7音カードを組み合わせてエモい短歌を作る、この超面白いカードゲーム。これを、俳句にそのまま使えないかなと考えたのである。

まず、夏の季語を軸にした5音のピンク色の季語カードを作った。「炎天下」「ハンモック」「晩夏光」などの5音の季語に加えて、「ひまわりや」など4音の季語の上の句限定カード、「キャンプかな」「ヨットかな」などの3音の季語の下の句限定カードも用意した(が、下の句限定カードは実際には使わなかった)。

それから、季語の入っていない12音カードを作る。12音カードの句は、下記エントリで集めた子ども俳句や若い世代の俳句からもらったものもあれば、去年の授業で作られたもの、適当に自分で作ったものを混ぜて作った。

そして、この5音カードと12音カードを数枚ずつ山札から取って組み合わせて、自分で俳句を作るゲームにしたのだ。ルールは、57577の個人戦ルールをアレンジしたので、興味のある方は57577を買って欲しい。いや、これ本当に面白い短歌ゲームなので…。

全6回の授業の流れ

授業の流れとしては、以下の通り。最初の2回で季語カードと12音カードを組み合わせて取り合わせの「感じ」をつかんでもらって、3回目の授業でようやく「自分で12音カードを作る」ことで、俳句を作るようにした。で、その後は今年もグーグルフォームで投票を集計した句会をやって、批評を書いて…という流れ。この全体の流れは悪くなかったので、来年以降も俳句の授業をやるときにはこれを基本に考えてみようと思う。

ちなみに、授業としての山場はやはり4回目の句会でしたね。句会で選ばれる句の傾向も去年通りだったので、去年のエントリをご覧ください。

小学生にどこまで求める?俳句創作の授業ふりかえり

2021.10.09
  1. 57577を真似た俳句作りゲームで遊ぶ
  2. 5音カードと12音カードを組み合わせてお気に入りの俳句をたくさん見つける
  3. 自分で12音カードを作り、5音カードと組み合わせて俳句を3句作る
  4. 句会をやって遊ぶ
  5. 他の児童が書いた句に批評文を書く
  6. 俳句の作品集を発行して、批評文を読み合う

実際の授業は、コロナの影響で⑤までしかできておらず、⑥は夏休み明け初回になる予定。去年より1コマ少ないわりに、俳句自体はけっこう面白いものが出てきた気がする。作り方が作り方なので、最初の俳句ゲームに影響されたものも少なくなく、それらの作品は厳密な意味でのオリジナルとは呼べない。でも、ラッキーディップしかり、僕は既存作品の真似を歓迎する方針なので、それで良いと思っている。

ただ、12音カードを作るときに、①季語を入れない、②12音の音に合わせる、という2つの条件が必要になるのだけど、この条件、特に条件①「季語を入れない」に苦労する子が出てきた。確かに、「何が季語でないか」って難しいよね(かくいう僕自身も、「ぶらんこ」(春の季語)を12音カードに入れるミスをしていた)。一人一冊歳時記があると理想的なのだけど、なかなかそこまではできないしなあ…。

また、俳句を作った後の批評文は、今年も甲斐利恵子方式で、書き出しのヒントなどを書いたテンプレートを用意した。ただ、今年は去年とのメンバーの違いのせいか、去年ほどこれが有効に機能した印象がなくて、もう一工夫が必要だったかもしれない。どうすればよかったんだろう。例示下だけで使うようには言ってなかったのだけど、「上の書き出し例から2つは使おう」と強制力を強めてみる方法もあるかな….?

俳句ゲーム改良の協力者、募集!

とまあ反省点もあるけど、俳句ゲームのおかげ(というか57577のおかげ)で去年の授業よりは確実に前進したかな。こうやって、手を動かして体感で理解できるの、特に小学生だと大事な気がする。今回手応えを得たので、来年以降はラミネートフィルムをかけて量産してもいいかも。

ただ、課題もある。本家57577はいろいろなタイプの歌を作れるのがほんとすごいなと思うのだけど、今回は僕一人で作ったので、どうしても12音カードの作風の幅が狭く、僕好みになってしまっている(あと、季語の知識が足りないせいで、季語が入ってはいけないのに季語が入ってしまったケースがあった)。また、5音の季語カードも夏の季語しかない。

というわけで、この俳句ゲームに興味を持って授業でやってみたいという方のうち、12音カードや季語カードの改善にご協力いただける方には、俳句ゲームの元データ(ワードファイル)を差し上げようかと思います。ぜひ連絡先メールアドレスを記載の上、コメント欄にメッセージをください(コメントは非公開のままにします)。

条件

  1. 12音カードに書く12音を考えてくださる方(できればこちらだとありがたく…)
  2. 5音の季語カードで、夏以外の季語カードを作ってくださる方

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