昨日は45歳の誕生日、仕事も趣味も家庭も楽しい一年にしたいな。

昨日の7月8日は45歳の誕生日。勤務先の軽井沢風越学園でも、朝はホームのみなさん、昼はラーニンググループ(5・6年)の皆さん、退勤前にはオフィスにいたスタッフのみなさんにお祝いしてもらえて、とてもありがたい一日でした。

そして一日の終わりには家族で誕生日のお祝い。今年高2の娘、中2の息子と、家族4人そろって誕生日をお祝いしてもらえるのって、考えてみるともう残り少ないんじゃないかな。しみじみとうれしい時間でした

目次

軽井沢風越学園3年め、好きな遊びは国語の授業

今年は軽井沢風越学園が開校して3年め。初年度と2年目は、小学校出身の先生とチームを組んで、小学校の先生の子どもの見取りや願い、具体的な学級経営の仕方について、基礎を色々と学ばせてもらった。今年は今年で、個別支援や特別支援、ファシリテーションをフィールドに活躍してきた人たちと同じラーニンググループを組んでいるので、その人たちの視点や願い、具体的な言葉がけの技術などを知ることが面白くて、勉強にもなる。

本業の国語の授業でも、もともと高校生向け仕様の自分を小学5・6年生向けに調整する作業がまだまだ必要なんだけど、下記エントリに書いた試行錯誤を少しずつ重ねていて、それなりに手応えを感じてもいる。

2022年5月を終えて。作家の時間・読書家の時間・漢字指導、それぞれのチャレンジ

2022.06.05

先週の月曜日には「色が変わる」をテーマにした「作家の時間」作品集の「出版を祝う会」を企画したら、なんと20名以上の保護者の方が集まってくださった。お菓子やジュースも出して、漢字ビンゴゲームもして、楽しい時間だったな。

「読書家の時間」でも、8・9年生に5・6年の教室に来て本について話してもらう「ようこそ先輩」シリーズが楽しい。いま自分が読んでいる本について、そして5・6年生の頃に読んでいた本について、ほんとうにまっすぐに語ってくれる。個人的にも、開校1年目に教えていた子たちなので、なんだか卒業生が遊びにきてくれる感じ。この「ようこそ先輩」は、6年生が3・4年生の教室に行くバージョンもはじまって、こちらも良い時間。読むこと、書くことを通して、異年齢のコミュニティがゆるやかにできていくといいな。

というわけで、国語の授業は、手応えのある部分も、うまくいかない部分も含めて試行錯誤を楽しめてる。昨日の誕生日のインタビューで「あすこまの好きな遊びはなんですか?」と2年生の子に聞かれて「国語の授業」って答えて驚かれたけど、ほんとそんな感じです(笑)

4月からの3ヶ月ですでにへとへとな部分もあるけど、こんなふうに学ぶことも試行錯誤の余地もあるので、これからも楽しく頑張れそう。まずは夏休みまで、駆け抜けよう。

もちろん、自分の「限界」もはっきりと….

一方で、時々ツイッターでもつぶやくけど、僕の興味は圧倒的に「子ども」より「教科内容のコンテンツ」にあるので、タイプ的には小学校の先生に向いてない自覚も深まっている。たとえば、国語以外の授業でも持ち前の責任感で頑張ってはいる(そういう意味でちゃんと給料分の仕事はしている)けど、国語と比べると圧倒的に自分自身が楽しめていない。そういう僕の「得意・不得意」が、風越ではそのまま自分の限界にもなっている。例えば子ども対応でも、「座学は嫌いだけど物作りや運動が好き」系の子に対して、「体育の授業を通して関係性をつくりつつ、そのポイントで国語も頑張ってもらう」みたいなアプローチが、有効だと頭でわかっててもできない。というのも、体育や図工に対する興味がなくて(どちらも小学生時代に最も興味がなかった科目である….)、その授業づくりをがんばる気にどうしてもなれないから。ここらへんは、教科コンテンツドリブンな僕の弱みだよね。

自分がいわゆる「小学校の先生」を目指したいのであれば、この「得意・不得意」を矯正したほうがいいんだろうけど、別に小学校の先生になりたいわけじゃないし、残り少ない時間を「マイナスをゼロに近づける」アプローチよりも、自分の興味や強み(ライティング&リーディング・ワークショップを中核とする国語の授業づくり)を伸ばすほうに使いたい。そのほうが試行錯誤するにも楽しいからね。義務感だけで仕事をするのはいやなのよ。

風越の強みはスタッフ。これは本当。

先日、風越にあと何年くらいいるのかも含めて将来のビジョンを同僚に聞かれたことがある。その時には、「先のことは考えてないけど、りんちゃん(甲斐利恵子先生)が風越にいる間は辞めないと思います」と答えた。これは本心で、この国語教師の先達が同僚である事実を、僕はまだ充分に活かせていない思いがある。この人の、語彙という一本の柱を授業でつらぬく姿勢や、毎回の地味なノートチェックを欠かさないなどの舞台裏のすさまじい努力。根底にある人間への愛やユーモア。それはもう、惚れ惚れするものだ。一方で、でもだからといって、すべてがうまくいっているわけではなさそうという、考えてみれば当たり前の事実も見てきた。どんな人も決して完璧ではなくて、達人は達人なりにもがき、試行錯誤している部分もひっくるめて、「授業見学者」ではわからない国語教師としてのありようを、同僚としてもっと見て、学んでおきたいと思う。

この人だけでなく、率直に言って、中の人から見える風越のいちばん良いところは同僚である(決して待遇面ではない…笑)。りんちゃんのような達人級の人から若手の人まで、筑駒時代とは違う意味で、専門性や熱意の高さを感じる同僚が本当に多くて、手前味噌ながら、尊敬できるスタッフ揃い。気の合う人もいれば合わない人もいるが、後者の人にもプロフェッショナリズムを感じる。こういう人たちと働けるだけでも、東京から長野に来た価値はあった。

もちろん、すごい人たちがチームになってもすぐに良い結果に結びつかないのが組織の面白さや難しさ。3年めの風越はこれまでのなかでも一番じゃないかというくらいに、絶賛もがいてるし、問題点もたくさんあるし、僕も含めてスタッフも必死にふんばっている最中だ。組織論的なことは僕の関心外なのでこの方面でなんの貢献もできないのだけど、でも、ふんばんなきゃいけない時に頑張れる条件として「一緒に仕事する相手が、一人の人間として尊敬できる」のはとても大事だ。尊敬できるからこそ、背中も預けられるし、意見の食い違いがあっても相手を倒そうとせずにすむに、自分のフィールドで全力を尽くせる。いまの僕は、一番やりたい「本業」の国語の授業準備ができるのが午後5時以降からなので、どうしても帰宅が遅くなってしまうし、土日にも持ち帰ってしまう組。それでも頑張っていられるのは、同僚たちの存在が大きい。

仕事と趣味、家庭を楽しめる一年に

というわけで、めっちゃ大変なんだけど、なんだかんだいいながら、仕事を楽しんでる気がします。去年のこの日と大きく違って、登山の楽しさを知ったのも大きい。基本的にボッチ気質な自分にとっては、一人でいられる時間はとても貴重です。仕事と趣味、もちろんのこと、それから家庭も。この一年、どれも楽しんでいけたらいいな、と感じる誕生日でした。

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