「目標は7月中の読了」「1日30分は読む」とか言っておいてごめんなさい、長い間手つかずでした…。この本。
なんとかかんとか読む時間を確保して、集中的に読むことにします。
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「カンファランス」は、ライティング・ワークショップの「書く時間」において、教師が生徒と一対一で作文について語り合う作業のこと。日本でライティング・ワークショップを紹介した最も初期の人である堀江祐爾さんは「面談法」と名づけてる(堀江祐爾「アメリカの作文教育におけるプロセス・アプローチ」1991)。まあ、そこまで外れてない訳かな、と思う。
このカンファランス、「プロダクトではなくプロセスを指導する」ライティング・ワークショップの、もっとも重要な要素の一つである。グレイブスの言葉を借りれば、「情報の断片の中に、可能性を見出す」(p4)行為なのだ。単に結果を評価するのではなく、かといって書き途中の作品を共有するだけでもなく、質問したり書き途中の作品を読んだりすることで作者の状態を把握し、生徒をより良い書き手に導くことを言う。だから、カンファランスはただのおしゃべりではない。それは教師側の「意図的な会話」(intentional talk)である。そのカンファランスをどのように行えば良いのかについて書いてあるのがこの本、というわけ。
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そもそも、カンファランスで話すことのメリットは何だろう。著者のオーバーメイヤーはp6-7で次のようにまとめている。
(1)話すことで、生徒の興味や背景が浮かび上がる
(2)生徒が自分の書く力の発達について振り返る機会となる。
(3)教師だけでなく、他の人も信頼できるような、書き手のコミュニティをつくる。
(4)書くことの技術を教えるのに役立つ。
そして、「話すことが書くことに役立つ」ということ自体は、この本以外にも多くの実践や研究で指摘されている。
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この本では、カンファランスでどのように生徒の書くことを支えるのだろうか。この後、この本を読んでの感想を、何回かにわけて書いてみようと思う。