入園・入学者選考を終えた12月中旬頃から、軽井沢風越学園では、開校に向けたスタッフの研修が本格化しています。今日はそれについてのエントリ。
目次
僕もライティング&リーディングを担当
僕もライティング&リーディング・ワークショップを担当させてもらって、スタッフが定期的に書いたり、読書会形式で本を読んだり。ライティング&リーディング・ワークショップは、教員が読み手であり書き手であることが最大のキモなので、これは学校が始まってからも継続できる仕組みを作るつもりです。他にも、風越学園のフィールドを使ったプロジェクトを自分たちでやってみたり、スタッフのこれまでの実践を分かち合ったり。開校を前に、とても大事な時間を過ごしているところです。もっと早く始めるべきだった!みたいなことも思うのだけど、はじめられなかった責任は僕にもあり、自分の中で(もしかして組織の中でも)、色々な歯車がぐっとかみ合い出したのがこのタイミングなんだろうなと受け止めています。
頑張りどころ、ファシリテーションの技術
色々な研修の中でも、自分の成長しどころと頑張りたいのが、ファシリテーションの研修です。「自由と自由の相互承認の感度」が育まれる場って、つまり一人一人の考えや意見が大事にされる場。そういう場をつくるファシリテーションの技術は、風越学園は大人も子どももみんな身につけたい。
でも、ここは正直に言って、苦手な自覚あり。というのも、僕はそうとう言語情報優位の人で、非言語情報をキャッチするのがとても弱い。それは、場にいる人が何を考えて何を感じているのかという「見取り」の弱さとも直結するわけですね。同時に、すぐに「コンテンツ」に関心が行ってそこに入り込んでしまうのも弱点。場のプロセスを俯瞰して見る、そのプロセスに働きかけるということができてないなーと思います。
前の職場でも10人規模の会議を自分が動かして決めることって経験してたんだけど、全部自分が時間配分や段取りを決めて、議論の枠組みや論点も自分が事前に用意して、一人ずつに発言を求めて…と、かなり自分が主導してテキパキ決めてしまっていました。物事は動いていたけど、それだけだったかもなあ、と今は思います。どうだったんだろう。今からあの時どう感じていたか聞いてみたい気持ち。
幸い、風越学園にはファシリテーションの達人級のKAIさんやアンディ(寺中祥吾)がいて、他にもファシリテーションに関心や経験のあるスタッフがとても多い。そういう同僚から学ぶ機会をもらっている感じです。まだ活かせてない感がありありだけど…!!
ワークショップのファシリテーション
例えば、先週のKAIさんのファシリテーター・トレーニングの研修。こちらは、参加者に体験の振り返りから次のアクションプランを起こしてもらうためのワークショップを構成・運営する練習。残念ながらまだ自分で構成・運営する立場は経験していないのだけど、参加者・観察者としてその場にいるだけでも学ぶことは多かった。参加者がしていること(Do)から、考えていること(Think)、感じていること(Feel)、望んでいること(Want)の3つを読み取るのは、まだまだ全くできる気がしないけど、姿勢とか視線とか、きちんと観点を持って見ているのがわかって安心しました。内面を見とるのが、魔法じゃなくてトレーニング可能なことなんだという実感が持てたから。一方で、他者の内面に入り込もうとする生理的な気持ち悪さはいつまでも付きまとうのだけど、これも僕が付き合わないといけないことだなあと思う。
あと、我ながら面白かったのは、「ワークショップのファシリテーターはできるだけ介入しないで見守るのが良い」というイメージに、自分が縛られていること。これは、適切な介入ができない自信のなさの裏返しだと思います。KAIさんが、ワークショップ中も振り返りの時も、聞きたいことを参加者に聞いていくスタンスなのが、面白かった。特に僕は当面「わからないことは参加者に素直に聞く」を意識すると良いのかもなあと思っています。
会議のファシリテーション
続いて今週は、ゲストの青木将幸(マーキー)さんによる会議のファシリテーションの研修がありました。
内容には触れずに最終的に個人的に思ったことをメモすると、今更ながら、会議って「何を決めるのか」と「会議に誰が参加するか」がとても大事なこと。マーキーさんは、この「何を決めるのか、問いはこれでいいのか」にとても時間をかけていました。そして、後者については、僕はこれまで「誰が参加するのか」への意識が明らかに足りていなかったです。適切な人数の中で、本当にその場に出るべき人が出ているのか。そこを押さえないと、結局合意がすぐに崩れてしまう。なるほどなと思いました。僕の場合、自分の興味がある会議には割と参加したくなるのだけど、ぐっと抑えて「自分は出なくてはいけない参加者なのか、他に出るべき人はいないか」と我が身を見る視点も大事なのかも…。
他では、自分はやっぱり言語優位なので「絵で表現する」のはやりにくくて仕方ないのだけど、その方が向いている人もいて、言語優位の会議になると、それ以外で表現するのが得意な人にいつも窮屈な思いをさせてしまうのだなあということも感じました。どうすればいいのか、これはなかなか難しい。これも、常にこの視点を持ち続けて、この場がどんな場になっているのか、参加者に聞いていくのがいいのかなあ…。
とまあ、先週&今週のファシリテーションの研修は、どちらもとても面白いものでした。風越のスタッフになった以上は絶対に欠かせないところだから、自分の中で必要感を持ってトレーニングしていきたいところ。「見取り」を意識して頑張ると同時に、「頑張ってもわからないことは参加者に素直に聞く」も心がけて、一歩一歩、やってみます。