[資料] 高校の新学習指導要領案、公表。気になるのは「文学国語」と「論理国語」の単位数

ただの個人的メモです。いつかいつかと待たれていた高校の新学習指導要領案、ようやく出ました。パブリックコメントを受け付けているので、関心のある方は是非どうぞ。

目次

高校新学習指導要領パブリックコメント

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000958&Mode=0

高校新学習指導要領案

http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000170311

改定案のポイント

http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000170312

現行との比較対照表

https://www.kyobun.co.jp/news/20180214_03/

現行との比較対照表・国語

https://www.kyobun.co.jp/wp-content/uploads/2018/02/7b1778fecdbfa719e7513a799fa14524.pdf

国語科:ざっと見た乱暴な初読の印象

どれどれと好奇心でざっと見ただけの乱暴な感想です。見落としなども多いと思いますが。

  • 指導要領の全体の分量がかなり増えた(言語活動例もめっちゃ書いてある)。予想通り、中学までの学習指導要領との連続性が意識されている
  • 国語は既報通りの大幅な再編。必修の「現代の国語」「言語文化」(どちらも2単位)に加えて、選択の「文学国語」「論理国語」「国語表現」「古典探究」の4単位
  • 中学までのように指導時数も書かれるようになっている。必修の「現代の国語」は「話すこと・聞くこと」が20〜30時間、「書くこと」が30〜40時間、「読むこと」が10〜20時間で、読むことが少ない印象。
  • 同じく必修「言語文化」は「古典」ではない(「現代の国語」が現代文で「言語文化」が古典、のような住み分けは意図されていない)。「書くこと」が5〜10時間、残りの「読むこと」が、近代以降の文章20時間程度、古典40〜45時間程度という配当。「現代の国語」の読む時間の少なさは、こちらで補うということ?
  • 「論理国語」は、論理的文章の読み書きというだけでなく、推論の仕方などのアカデミック・スキルも視野に入れた科目っぽい。書くこと:50〜60時間、読むこと:80〜90時間。書くことが多い。
  • 「文学国語」は文学の科目。書くこと:30〜40時間、読むこと:100〜110時間。読むことがとても多いように見えるが、言語活動例を見ると、「読むこと」の中に、書評を書いたりリライトしたりなど、「書くこと」の活動が多く示されている。
  • 「古典探究」でも、言語活動例として「論述・発表・創作・随筆」など、書くことが多い。

全体的に「書くこと」が多い印象ですが、読んで一番気になったのは、「論理国語」と「文学国語」がともに4単位だということ。これまで「現代文B」(4単位)を選択していた学校(僕の勤務校もそう)は、校内での時間割増の調整がつかない限り(←かなり辛い)、「論理国語」(4単位)か「文学国語」(4単位)のどちらかを選ぶことになります。おそらく、大学入試も視野に「論理国語」を選ぶ学校が多いでしょう。とすると、必修である「現代の国語」での「読むこと」配当時数の少なさと相まって、「高校に入学してから文学的文章を読む機会は、このままだとかなりの程度減少する」のではないでしょうか。まあ、それが狙いの改定案という印象も受けます。

しかし、以前に下記エントリで書いた通り、僕は「論理国語」と「文学国語」に分けることにも批判的な立ち位置なので、これはかなり気になります。

分けられるのかな?「論理国語」と「文学国語」

2016.12.24
あとでちゃんと読んで、同僚とも議論したいと思うのですが、第一印象としては、そんな感想を抱きました。

追記:ロカルノさんのブログへのリンク

高校の学習指導要領の案が出たので国語をメモ書き

http://www.s-locarno.com/entry/2018/02/15/194640

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