ただいま期末試験シーズン。今日は期末試験初日に感じた素朴な疑問を。期末試験って何であるの?
中高では当たり前の定期テスト
小学校では、「テスト」といえば単元ごとの業者テストが一般的だった。それが、中高だと定期試験(中間試験・期末試験)になるのが一般的だ。問題も業者テストではなく先生が自作するのが普通(まあ、指導書についている問題をそのまま使う人もいるかもしれないが)。小学校と中高では、テストの形がかなり違う。
この定期試験、別に実施が義務づけられているわけではない。たとえば僕の勤務校では中間試験がなくて期末試験だけだし、場合によっては期末試験をやる必要もない。国語の場合だと、作文だけで成績をつける学期には期末試験を実施しない。中間試験、期末試験というのはあくまで「習慣」なのだ。やろうと思えば、ナンシー・アトウェルの学校のように、国語の授業で一切ペーパーテストをやらずに成績をつけることだってできるだろう。
定期試験を行うメリット・デメリット
あくまで習慣だとしても期末試験の存在は事実上の標準である。単元ごとにではなく、ある期間を限定して全科目の試験を行う理由は何だろうか?とりあえず思いつくメリットはこんなところだ。
- その学期の総括的評価としての位置づけで行うから
- 単元ごとにテストをやるのに比べて授業時間数を確保できるから
- 先生が集中して作問や採点に取り組めるから
- 生徒も集中して勉強だけに取り組めるから
意味合いとしては最初の理由なのだろうけど、実際のところは「先生も生徒もそのほうがラク」なのかなと思う。単元ごとにテストつくって採点して…となると、負担の重さにちょっとめまいがしてしまうし、生徒も、常に試験勉強に追われるよりは、一週間だけ部活を我慢して勉強したほうが楽ちんだと思う。
逆にデメリットとしてすぐに思いつくのは、
- 学んでからテストまでの期間が長くなってしまう
- 複数の教科を広い範囲に短期間で勉強しないといけないので、一夜漬けを誘発する
- 同様の理由で、「捨てる科目」や「ヤマ勘」を誘発する
あたりだろうか。あくまで個人的主観なのだけど、定期試験って、学習内容の定着にはあまり向いている気がしない。「無事に過ぎ去ったら終わるもの」だよね、特に夏休み前なんかは。まあ、でもその程度の扱いくらいなのがちょうどいいのかなという気もする。
気になる本
個人的には「現実的妥協の産物」というか、ベストではないけどそれなりに回ってる感のある定期試験。気になってちょっとググったら試験についてのこんな本があるようだ。天野さんのは随分前に読んだ本だけど、もう一冊のも含めて読んでみよう。
双方にとって楽だからというのに賛成です。
本当によく時間をかけて学習するためであれば、要らないと思います。
テストを作る側も受ける側も短期に集中してやればなんとかこなせるあの程度テストは、安っぽいけれど、その安っぽさがちょうど双方の折り合いがついたぐらいのところで成立しているのだとも思います。
一夜漬けもしなくなってきている生徒さんも増えてくると、また別の形になるかも。
そういえば、今でも観点別評価とかは続いているんでしょうか?正直、普通の授業だとそんな評価はとてもできなくてペーパーテストが生徒個人と向き合える唯一の機会になっているのが平均的な現状かと思います。
僕も同感です。観点別評価、続いてます。あれはかなり無茶ですよね…。一人一人を見ることなんてできないのに。あの観点別評価をどうラクにつける仕組みにするか、というふうに、目的化してる気もしますね。しかも、新しい学習指導要領から、高校もあんなふうに詳しくなるとの話を聞きました…。