いよいよ授業がはじまってます。下記エントリで迷っていた「大福帳か振り返りジャーナルか」問題、結局、クラス数も授業回数も多い高校生は負担の重さを考えて大福帳にして、負担の少ない中学生の授業ではジャーナルを使うことにしました。ただし、「振り返り」のつかないただの「ジャーナル」にして。
結局「振り返り」にはせず…
中学の授業ではこれまで使っていた大福帳に代えて「ジャーナル」を用意。ただ、迷った末に岩瀬さん&ちょんさんの「振り返りジャーナル」にはしないで、ただの「ジャーナル」としてはじめることにした。
「振り返り」とつけるのを、結局やめてしまった。そのへんが、僕の個性でもあり限界でもあるんだろう。振り返り自体の有効性は認めてるし、自分でもしているのだけど、どうしても、教師ー生徒という関係にある教室で振り返りを「書かせる」ことにためらいを感じてしまうのだ。「さあ、振り返りはいいものだから振り返ろう」とは言えない自分がいるのである。
「今、ここで」実践に近い「ジャーナル」
「振り返り」とつかない僕の授業での「ジャーナル」は、「とにかく何を書いてもいい」というだけのもの。生徒に示した「ジャーナルの書き方」に書いたのは、次のような注意点だ。
- 1回の授業につき1ページ以内で書く(1ページを超えない)
- 授業ごとに必ずページを変える
- 1回の授業につき5分で書く
- 最初に日付を書く
- 何を書いても良い(日常のこと、授業のこと、考えていること、興味のあること等)
- 書くことがない人は、5分間、他の文章を書き写しても良い。ただし出典(著者名、作品名、ページ数)を明記すること
- コピーして他の生徒と共有することがある。共有したくない人は、必ずページの右上にバツ印を書くこと。
結果としてこの「ジャーナル」は、「振り返りジャーナル」というよりも、妹尾和弘さんの「今、ここで」実践にとても近いものになった(下記リンク参照)。「今、ここで」考えていることに限っておらず、文章を書き写してもOKだから、それよりもさらにゆるいものかな?
読んでいて面白い生徒の文章
まだ一回だけだけど、やっぱり生徒の文章は読んでいて面白い。新入生の話、自分の部活の話、食べ物の話といったエッセイ風の短文を書く生徒もいれば、連載小説の書き出しっぽいもの、「書くことがない」と書いてくるもの、既存の文章を書き写したもの、そして、全くの空白のジャーナルが一人いることまで、いろいろだ。前年度でショートストーリーを書いた学年だけあって、思ったよりも多くの子が書くことを嫌がらずにのってきてくれる。今は書きたくない子も、それで良し。「書かない、共有しない」という選択肢をきちんと確保してあげることが、書く力をつける上ではとても大切だと思うもの。自己開示も迫りたくない。環境を整えていつかふっとその気になったらいいなという感じ。
たった一言ずつコメントを書き添えながら、結局のところ僕は「振り返りジャーナル」よりもこういうのが好きなんだなあと思う。そして、パラグラフ・ライティングのレポートを読むよりもずっと楽しい。今年度の楽しみが一つ増えたかな?
私は授業ではなく学級の取り組みです。「振り返り」をつけました。そのうち自由記述にシフトしようかな(国語教師の血が騒ぐ…笑)。一番の課題は時間確保です。一生懸命書くんだけど、一年生は何事にも時間がかかるのです…。(時間の融通が私だけの裁量で出来ない中学校)
学級だと毎日ですか?それだけ蓄積があれば、長い時間で見るとかなり変化が出てくるかもしれませんね。楽しみですね!
実際やってみて、時間確保の関係で、毎日は厳しいことがわかりつつあります。短時間だと落ち着いて書けないし、時間を取ると他のことが短時間になる。生徒が負担を感じては意味がないので。また、テーマ設定も重要です。あまり教訓的になるテーマは…でも基本は振り返りだし…、とか。何とかいい形で1年間継続したいです。
毎日やると効果はあるにしても一方で先生も生徒も大変ですよね。負担や時間とのバランスを考えると、曜日をきめて定期的にやるのが一番なのかな?