中国第4の大都市の中心部にある大型図書館、深セン図書館

春休みということで、中国第四の大都市・深セン(深圳、シェンチェン)に行ってきた。主目的はエクセター滞在中に小5娘のクラスメートだった男の子のご一家を訪ねることだったのだけど、例によってちょっと現地の図書館も。今回のエントリはあちらのご一家のお父さん、深セン大学のミイ先生に案内していただいた、深セン図書館のチラ見記録。

目次

スケールの大きな新興都市・深セン

深センは1980年に鄧小平によって経済開放特区に指定され、急激な発展を遂げた中国第4位の大都市。現在は約1000万人の人が住んでいる。訪れた第一印象は、「建物も公園も道幅も、何もかもスケールが大きい!」ということ。気にしていた大気汚染もなく、大都会ながら広々とした緑地や公園もあって、とても生活がしやすそう。そのせいで、北方からどんどん人口が流入する人気の地域だという。

また、ハイテクな現代都市でもあって、多くの買い物がスマートフォンだけで完結したり、駐車場に入る時のゲートも車のナンバーをスキャンして読み取って開いたり、地下鉄もピカピカだったりすることにも驚く。もちろん裏道には昔ながらの屋台みたいなお店もあるんだけど、中国って本当に発展著しい国なんだなと圧倒される思いがした。

都市の中心街にある深セン図書館

深セン図書館(深圳图书馆)は、そんな大都市の中心地にある。周囲には役所、ミュージアム、広々とした蓮華山公園などもある賑わうエリア。大勢の人がいるのだけど、本当に広々としていて開放感がある一帯に、コンサートホールと並んで立っている。イギリスのバーミンガム図書館や、フランスの公共情報図書館Bpiを思い出させる大型図書館だ。

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図書館は6階建てで、一面の窓が大きなガラスばりに。中に入ると広々とした書架エリアと閲覧コーナーがある。印象的なのはガラスのすぐ隣のエリアで、大勢の人が閲覧机のみならず階段に座って勉強をしていた。

書架コーナーでまず目につくのは、デューイの十進分類法とは異なる、アルファベットを用いた分類法だ。同行者のミイ先生に聞いてみると、大学図書館でも同じ分類法を用いているとのこと。調べてみたら「中国図書館分類法」と呼ばれる分類法だった。こういう分類法もあるんですねえ。

中国图书馆分类法

https://zh.wikipedia.org/wiki/中国图书馆分类法

今回はご案内付きということもありじっくり図書館内を見て回れていないのだけど、パッとみたエリアでも歴史(史書)関連の本が充実していた印象。蔵書冊数は約400万冊。新聞の購読数も大学図書館並みにとても多い。

どの国の図書館でも必ず探す日本語コーナーは、お隣の国なのに思ったよりも少なかったのだけど、数少ない中では建築やデザイン系の本が多いのが面白い。

とてもにぎやかな児童図書館

深セン図書館の児童書コーナー(深圳图书馆少年服务区)は、本館とは別の入り口になっている。中の写真は撮れなかったけど、訪問日が日曜日ということもあって、とにかく多数の親子連れでごった返している。貸出機にも長蛇の列。こんなに混雑してる児童書コーナーを見たのは初めてかも。

教育熱の高さを反映してか、こちらには英語学習の本もたくさん。また、 手塚治虫や宮崎駿など、日本の漫画も置かれていた。残念ながら横山光輝の三国志は置かれていない(笑)

24時間全自動貸出・返却機や除菌マシンも

これ以外にちょっと面白かったのは、図書館の外側に24時間対応の自動貸出・返却機があったこと。これ何だろう? よく図書館にあるセルフサービスの貸出機とは明らかに違う。おそらく、この機械の中にある本は、いつでも借り出せるということなんだと思う(ミイ先生に聞いても詳しい使い方がよくわからなかった)。

また、館内の入口近くに除菌マシンがあって、けっこうな人に利用されていた。ああいうのって、過度な清潔志向の日本人向けのものかと思ったら、そうでもないんですね…。入口近くには期間限定開催の法律相談のコーナーもあって、こういうマシンやサービスにも、深センの大都市ぶりを垣間見た感じ。

観光地としても見どころ満点の深センへどうぞ!

というわけでスケールの大きな都市のスケールの大きな公共図書館だった。ちなみにこの深セン、香港からフェリーで30分ほど。日本人観光客はそんなに多くないのだけど、蓮華山公園をはじめ、観光地としても見ごたえがある。特に中国全土の少数民族の家を再現した「中国民族村」と、中国各地の名所のミニチュアをめぐる「錦秋中華」には心底驚く。広々としたテーマパークで、歩いているだけで気持ちが良いし、中国という国のスケールの大きさを目の当たりにできる。共通入場券でどちらにも入れるので、是非どうぞ。

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