ヨーロッパ最大級! バーミンガム公共図書館を覗いてみた

湖水地方から本来の目的地である留学先エクセターへ約6時間をかけて移動。とはいえ、ただ移動だけというのもつまらないので、乗換駅のバーミンガムで途中下車した。お目当てはバーミンガム公共図書館(Library of Birmingham)。2013年にオープンしたばかりの、イギリスだけでなくヨーロッパでも最大級の公共図書館だ。

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遠くからでも見えるモダンな意匠の建物。なんとなくロンドンのアイデアストア・ホワイトチャペルを思い出させるけど、あれよりさらに巨大な感じ。


中に入って見ても、その広さに圧倒される。とにかく広い。小説はジャンル別に、その他の本は基本的にDDCで分類されてて、本棚に分類記号の表示もある(これまで見た図書館ではないことが多かったのでなんだか懐かしい…)。探しやすいように配慮はされているのだけど、なにぶん広くて本を探すというより歩きまわるので精一杯。僕のような「とりあえず話の種に見に来る人」も多いのだろう。写真をとっている人もたくさんいたし、スタッフさんも特に注意している様子もない。初めての人向けに館内の見どころを書いたビジター向けの利用ガイドまであった。なんと売店やペニープレス(観光地にある1ペニー硬貨に訪問記念の刻印をする機械)まであって「観光地」としての役割もかなり意識してる図書館だ。

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おそらく、一番の「見どころ」「観光スポット」は中央の吹き抜けのエスカレーターと、円柱のようにそれをとりかこむ本棚なのだろう。これは文句なしにカッコイイ! 

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ただ、ディスプレイに使われてる大型本の中には、背中のラベルがないのもあって、もしかして本当にディスプレイ専用の本もあるのかも。


 

他にも、すわり心地の良いソファや、ユニークなデザインのPCスペースなど、見て回って面白いものがたくさんある。カフェに、会議スペースに、シェイクスピアの資料を集めた特別室に、屋上には見晴らしのよい展望スペースまで。本当に館内ツアーができてしまうね。

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さて、そういう物珍しい部分を除いて図書館としての機能を見ていくと、ビジネス支援が手厚いこと、カルチャースクール的な講座の案内がたくさん置かれていること(実施母体は別団体)など、生涯学習支援志向で、アイデアストアとの共通点が多い。このへんはイギリスの図書館の共通項なのかどうか。インターネット用PCも各階窓際にたくさんあって、ほぼ全てのPCが利用されていた。歩きながら覗いてみたら、特に調べ物をするというのではなく、You Tubeなどの動画見てる人が多いみたい。このへんはうちの生徒と変わらんなー(^_^;)

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言語のコーナーは、英語以外はとにかく中国語が圧倒的に多く、次がベンガル。われらが日本語はほぼ皆無。しかも文学の棚を見ても日本文学の本は村上春樹や俳句の本を中心に英訳本がちょっとある程度で、あとはMAPやトラベルガイド本コーナーにあるくらい。一般利用者が使える本が40万冊ある図書館なのに、日本語日本文学の本が意外にほとんどないのである。他の図書館見ててもそうだけど、日本の扱いってそんなもんなのかねえ。

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乗り継ぎの間の2時間を使っただけだけど、それでも「観光先」としてはとても見応えのある図書館だった。話の種にということだったらロンドンから1時間半程度なのでぜひどうぞ。ただ、もう一回来たいか、と言われたら、どうかな。個人的にはロンドン観光と同じで「一度見ればお腹いっぱい」かも。もちろんバーミンガム図書館には実際に日々利用してる人もたくさんいるだろうから、彼らに話を聞いてみないと実際の利用のしやすさについてはわからない。ただ、個人的には小さなサイズのウィンダミア図書館のほうが好きだし、日常的に通う図書館には適切なサイズがあるんじゃないかな、とも感じた。

 

湖水地方にあるウィンダミア図書館

2015.09.07

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