息ぴったり、司書さんコンビのブックトーク

高校の授業では来週から生徒のブックトークが始まる。それで、今週は本校図書館の二人の司書さんにデモンストレーションをしていただいた。

ブックトークのルール、僕の場合

僕のブックトーク課題はとても単純で、

  1. 類の異なる2冊以上の本をつなげて紹介する
  2. そのうちの1冊は学校図書館のもの
  3. ブックトーク開始前に黒板に著者名とタイトルを書く
  4. 時間は5分

というのがルール。お手本にした慶応普通部(中学校)の実践では3冊だったので、それよりもむしろ簡単だ。学校図書館の本を1冊入れるように制約を課しているのは、

  1. 学校図書館の中を歩いて欲しい
  2. ブックトークを聞いて興味を持った生徒が借りられるように。
  3. 紹介したい本が図書館になかったらむしろリクエストして!

という狙いがあるからだけど、これもまあそんなに特筆すべき工夫でもない。そもそもが僕の授業はそこまで緻密に構成されていないので、適当といえば適当である。今回のブックトークも、読書推進の方策というよりは、まあ本を肴にそれぞれの生徒の個性が見えて楽しいんじゃないの、というところに重点があるような気もしている。

いい塩梅、司書さんによるデモンストレーション

2名の司書さんによるデモンストレーションは、授業の最後の15分を使って行われた。

最初の一人はまさに「お手本」のようなブックトーク。聴き手への語りかけから始まり、とても自然に次の本へとつながっていく、ぴったり5分で構成されたブックトーク。紹介された3冊の本の「つながり」も、タイトルに共通点があると思わせて実は他の共通点だった、という手の込みようだった。実は一週間前にリクエストしたその日に、本を何冊も持ち帰られて検討してくださったのだ。

もう一人の司書さんは、原田マハの「暗幕のゲルニカ」(9類)に漫画「ちはやふる」(7類)という取り合わせ。「え、漫画もいいの?」という戸惑う反応も見せる生徒を前に、「とにかくこの一冊を紹介したい!」「この一冊と組み合わせる本を探したけどうまく見つからなかった」「だからやや強引なつながりで別の本を選んでみた」という、舞台裏を見せるブックトーク。しかも、実はもう一冊は本の中身にほとんど言及していなかった。これはきっとわざとだと思うけど、天然かもしれない。ともあれ、「こんな風にして作れるんだ」「こんなのもありなんだ」と生徒も気が楽になったにちがいない。

名人芸を見せつつ、生徒を安心もさせる。うちの司書コンビのお二人、この連携プレーがちょうどいい塩梅。その日の大福帳には生徒の反応が色々と。やっぱり印象に残ったらしい。来週からのブックトークが楽しみになるデモンストレーションだった。

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