高校の授業では新書を中心とする評論系の本を読むリーディング・ワークショップ。実は「3冊以上読むこと」という縛りを設けていたのだけど、これは失敗だなあということに気づいた。冊数による縛りはするべきではない。
大福帳のコメントで気づく
気づかせてくれたのは生徒の大福帳。ある生徒が「最初は面白かったが、読めば読むほど「薄さ」に気づき、つまらなくなってきた」とコメントしてきたのだ。なるほど、今や玉石混交で内容が薄っぺらいものもたくさんある新書、そういうこともあるだろう。
「読むのをやめる」のも技術のうち
「3冊読む」という縛りをかけてしまうと、そういう新書でも義務感でおつきあいする誘因になってしまう。本人が楽しく読んでいるならまだしも、つまらないのに読み続けるのは全くの時間の無駄だ。アトウェルだって、「つまらない本は読まないこと」をルールにしているし、ペナックの読者の権利にも「読まない権利」「読み終えない権利」があるというのに。何を勉強してるんだろうって感じ。
ということで、次回の授業で早速謝って「読むのをやめる本を見極めるのも大事な読書の技術。読むのをやめた本でも3冊にカウントしていい」とお知らせ。するとその回の大福帳には早速「小学校で一度手に取った本は最後まで読み通すように言われてからそうするものだと思っていた」「今読んでいた本がつまらなかったので助かった」等のコメントが複数あり、一安心。犠牲者を増やさないでよかった…。