In the Middle読書日記。下記エントリにも書いた通り、第9章Poetryでは詩のレッスンプランと生徒作品が延々と100ページ続く。
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アトウェルが授業で何を教えているのかを簡単にメモする。まず、アトウェルが生徒に書かせるのは自由詩だ。そこでのレッスン内容はこんな感じ。
・自由詩の定義:自由詩とは何か、なぜ自由詩を書くのか
・改行と連をつくる技術:見た目も含めて効果的に改行したり、連をわけたりする方法
・削る、圧搾する:とにかく表現を熟考し、無駄な表現を削る
・詩の終わらせ方:最後の一行は、効果を狙って意図的に終わらせる
・繰り返しの効果:リフレインを効果的に使う方法
・感覚的表現:読者が見て、聞こえて、感じることができるような用語選択を行う
・比喩:比喩的な表現を効果的に用いる
・詩形についての様々な実験:triplet(3行連)、句読法、大文字の使い方、行間休止(意味のつながりの途中での行替え、視覚的効果を狙った詩)
自由詩を教えたあとでは、効果的な詩形も教えている。Tritina、Pantoum、Villanelle、Sonnet…。僕にはなじみのない詩形もある。パブロ・ネルーダにならったOdeは、生徒たちにも人気があるそうだ。面白いことに、日本のHaikuとSenryuもここで詩形の一つとして扱われ、教えられている。アトウェルの学校の生徒はhaikuを教わる時には、まず外に出て自然を観察する時間をとるらしい。このへんは日本でも似たような授業が行われていそうだ(僕の同僚も俳句を教える時にそうしていた)。
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こうした詩についての知識の他にも、音韻を調べる辞書(rhyming dictionary)を使ったり、朗読をしたり、ポエトリー・リーディング・ディを開催したり、アンソロジーを作ったり、家族に贈る詩のギフトを作ったり、コンテストに応募したり…と、とにかく盛りだくさん。アトウェルがいかに詩を重視しているかがわかろうというもの。僕はアメリカでの詩の教育の標準を知らないので印象論でしか語れないのだけど、相当マニアックな詩の授業ではなかろうか。