In the Middle読書日記。今日のメモはライティング・ワークショップでのカンファランスについて(p211-213)。
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下のエントリにも書いたけど、ライティング・ワークショップの命とも言えるのが「生徒が実際に書く時間」と、その間に行われる教師の個別指導、カンファランスだ。
今日読んだのは、そのカンファランスの時に、作文教師が心がけるべきこと。9か条を書き出してみた。
1. 常に時計を見て、全ての生徒に責任を持つことを忘れない。
一人のカンファランスを短く抑えること。彼女は30分で12人の生徒をカンファランスするペース。誰にカンファランスしたかをチェックして、次の授業ではまだしていない生徒のところに行く。
p28の記述によれば、全ての生徒に一日おきにカンファランスする計算だ。ちなみに僕は全員を相手にするのは生徒の振り返りへのコメントだけで、全員にカンファランスするのはあきらめている。だって40人学級×複数クラスですもの…。20人のアトウェルとは話が違います。
2. ミニレッスンで教えたことと関連づけて教える。
用語も、ミニレッスンで使った用語をできるだけそのまま使う。
これは時間節約にもなるし、教えたことと関連づけることで知識定着の促進にもなるだろう。
3.長い文章は授業中には読まない。
他の生徒の時間を奪うから。授業中のカンファランスでは一部分だけ読む。全体を読まないといけない場合には、ポスト・イットを貼ってもらって生徒から受け取り、持ち帰って読む。
ひょえ…これは無理…。
4.カンファランスを個人的で、親密なものにする。
生徒と肩を並べて、目を見て、ささやくような声で行う。生徒にもそうしてもらう。
理由は他の生徒への配慮だと書いてあったが、ラポールの形成という観点でも正しいと思う。僕も、カンファランスする時に生徒を上から見下さないように意識している。時々忘れてるけど…。
5.生徒に失望しないこと。少なくとも、目の前では。
かつて自分も回想録の書き方を生徒に教えた時、生徒に失望したけれど、やがてミニレッスンとカンファランスと生徒自身の自己を振り返る力で改善していった経験談を話している。
書く力が育つにはとても時間がかかる。28ページにも「たとえ毎日書いたとしても、書く力の成長はとてもゆっくりだ」と書いてあった。アトウェルの教室でさえ、そうなのだ。
6.生徒が抱えている問題への解決策を実際にやってみせるのが良いと判断したら、生徒に「あなたの原稿に書いてみていい?」と許可を求める。終わったら「これはあなたのやりたいことにとって役に立った?」と聞く。
これは、当たり前のことのようでよくわからなかった。勝手にやらずに生徒に許可を求めるという点に力点があるのかな?
7.生徒の文章の長所に気づくこと。
(アトウェルはここでたくさんの「褒め言葉」の例をあげている)
これは実は僕にはまだ難しい。生徒の文章を読んでいると、良くないところにはすぐに気づくし、それを指摘するのは誰だって簡単だ。逆に、良いところをきちんと指摘して伸ばすことがとても大切。生徒は(というよりも人は)、えてして自分の文章の良いところには気づかないものだから。でも、生徒の文章をたくさん読んで、疲れてくると、つい楽な方(欠点を指摘するほう)に流れがち。
8.直接的に言うことをためらわない。ただし、理由や解決策も添えて。
アトウェルの感想はわりと直球で、良くないところには「I’m lost」「I’m confused」って言う。そして解決策も添える。率直であれ、ということだろう。
9.生徒に対しても、自分に対しても、辛抱強くあること。ライティングは、とてもゆっくりと成長するプロセスだから。
「5」と似たようなものが出てきた。アトウェルほどたくさんライティング・ワークショップやってる人でも、「ライティングは成長の遅いプロセス」と認識しているのか、だとしたら自分の授業なんて…という気にもなってくる。とにかく、焦ってはいけない。たった一度の授業で、身についたとかどうだったとか、一喜一憂してはいけないのだ。それよりも、目の前の生徒の姿を見ること。
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アトウェルのカンファランスガイドラインは以上。ただしこれ、1998年刊行の第2版に書いてあったガイドラインとは若干違う点もある。それについてはまた後日別エントリで書いてみたい。
(2/22追記:別エントリは以下)