12/6(土)西町インターナショナルスクールで開催されたTry IT On Mondayというイベントに行ってきました。「学んだことを月曜日にすぐにためしてみよう」という趣旨のテクノロジー系教育イベントで、なんとびっくり、無料なのに朝の軽食・PCの貸出・iPadの貸出・お昼のランチやドリンクがついているという太っ腹。長くなりそうなので、2日間にわたって報告を書きます。
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午前中のお目当ては東京大学教育企画室特任准教授の船守美穂さんと、日本教育大学院学校教育研究科准教授の山田雅之さんによる「ブレンド型学習」の講座。ブレンド型学習って昨日エントリしたこれ。
お話は船守さんが理論編・背景となる考え方編を担当し、山田さんが実践編を担当という感じ。理論編はICT教育系の話題にキャッチアップしているとそう目新しいものではないけど、
・ブレンド型学習とは何か
・なぜいまブレンド型学習なのか
・ブレンド型学習の事例紹介
・ブレンド型学習をデザインするときのポイントは何か
などが話の中心。ひとつ印象的だったのは、ブレンド型学習とは「教室での対面教育と、デジタル技術やネット環境を利用した教育を組み合わせたもの」 であり、「特別の教育効果を念頭に編み出された教育方向ではないので、ブレンド学習にしたからといってよい教育効果が期待できる訳ではない」と強調されていたこと。ICTが、それ自体では良いものでも悪いものでもないのと同じことですな。
だからこそ、大事なのは「教室の内外をふくめた生徒の学習をどうデザインするか」という視点なのだという。これもその通りと思うのだけど、特に「外」は難しい。生徒の学校外の自由時間を、教員がどこまで「奪って」いいんだろうという疑問もある。例えば、すべての教師が反転学習したら、生徒がパンクするんじゃないかな。
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続いての実践編の山田さんのお話は、前々職の日本福祉大学でのご自身の実践の紹介が中心。まずブレンド型学習の典型例として反転学習があるが、宿題をやってもらえずにそもそも議論にならない、という指摘をしたあとで、日本福祉大学の通信制でもオンデマンド講義の視聴率が低い課題があり、それを防ぐためにジグソー学習の手法を用いた、というお話だった。
なるほど、反転学習で「予習してこないので成り立たない」ケースは充分考えられることで、それを防ぐために「反転学習×ジグソー」をするのはとても納得がいく。
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その「反転学習×ジグソー」のお話以外にも、印象に残ったお話を二つ。
一つ目は、創発的なアプローチ(逆向き設計で授業を作りつつも、レールから外れた建設的な相互作用が起きる学習環境をデザインするアプローチ)を取るためには、現場の教員と研究者が一緒になって授業に取り組むことが大切だということ。また、他校の優れた実践を見たときに「そこだからできるんでしょ?」と思いがちだけど、「どうしたらできるかな?」という問いに変換しようということ。
どちらもその通りと思って、終了後の時間にお声がけさせていただきました。
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ここまででTry It On Mondayは全体の3分の2が終了。あとは小グループに分かれてのICT活用のミニワークショップなんだけど、その報告はまた明日。