添削が効果的に機能する条件(4)

添削について考えるシリーズの第4回目。
(過去記事)

添削が効果的に機能する条件(1)

2014.10.28

添削が効果的に機能する条件(2)

2014.10.29

添削が効果的に機能する条件(3)

2014.10.30

条件3:添削の結果を活かす次の機会があること。

これは、「文章を書く機会が何度もあること」と言い換えてもいいかも。添削指導に限らないのだけど、特に添削では、生徒の作文を添削して返却した後に、それを活かす「次の機会」が忘れられがちなので、それを意識的に作ることがとても大事だ。

そもそもフィードバックは、それが活かされる場がないと意味がない。教師のコメントを生徒が聞いた/読んだだけでそれが定着するはずもないし、第一、次に活かすことを意識しないままでは、フィードバックを生徒に真剣に受け取ってもらえない可能性も高いからだ。

とりわけ、添削の場合は、書く途中の段階でフィードバックするわけではないので、生徒としては提出の時点で「書き終えた」という意識になり、一息ついてしまう。だから、教師が一生懸命添削して返却しても、生徒の側に次に活かす意識がなく、読んで「ふーん」程度で受け止められてしまう。これでは、いくら苦労してたくさんコメントしても、生徒の身につくはずがない。

だから、添削結果を返却した後に、そこでのフィードバックを活かす「次の機会」を意識的に設けてやる必要がある。たとえば、別の文章を書いてみて、そこで前の文章でコメントしたことを活かすようにさせる。短い文章でもいいから、何度も書いてみること。そして、前の文章で添削された点について、次の文章で活かすように意識させること。書く力をつけるには、そういうサイクルが必要だ。

とはいえ、何度も文章を書かせて読むのは、読む側にとってもとても大変なこと。だから、添削者の人数を確保する必要もあるし、一回につき添削する箇所を一つに絞るのもいい。生徒の側からしても、一度にびっしりと赤ペンで修正箇所が書き込まれた原稿がもどってきても、げんなりするばかりで処理しきれない。一度に添削するポイントはできるだけ絞って、その代わり何度も書くサイクルをまわす。添削をするなら、そういう方法がいいんじゃないかと思う。

添削が効果的に機能する条件(5) まとめ

2014.11.01

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