軽井沢風越学園の2022年度が始まった。僕は今年も5・6年担当。実は、家族がコロナウィルス陽性になって新年度早々在宅勤務だったのだけど、すばらしく頼りがいのあるチームメートのおかげで、楽しく仕事させてもらっている。先週は、新学期のスタート「かざこしづくりキャンプ(づくキャン)」。「つくるえがくの日」「森の日」「かざこしづくりの日(かざこしミーティングの日)」と並んで、最終日の15日(金)には「本日和(ほんびより)」という、本とライブラリーを楽しむイベントデーだった。
子どもたちでつくったイベントデー
この「本日和」、前々からこういう日があったら素敵だなと思っていたのだけど、実際のアイディアを出して動いてくれたのは去年の小6と小5の6名の女子たち。イベント名も、もちろん彼女たちの考えたものだ。1月末にキックオフして、実働2ヶ月くらいで、本を楽しむイベントデーをつくりあげてしまったのだから、たいしたものだ。
間口の広い、「本に誘うイベント」たち
この日はとにかく、Chromebookを置いて本にまつわることで楽しむのが約束。中心メンバーの彼女たちが考えた企画、スタッフがアイディアを出した企画….もりだくさんの一日だった。ちいさい子を中心に大盛況だったしおり作り、POP作り、POP立てやブックスタンドづくり、本の音読・朗読コーナー、本を解剖するワークショップ、風越の本の企画をつくってみるデザインワークショップ、青い鳥文庫の元編集長さんをお招きしてお話を聞く時間もあった。そして、風越の過去の「作家の時間」作品集にファンレターを書くコーナーまで(ファンレターを書くと雑誌付録の抽選券がもらえるおまけつき)。「本を楽しむ」と言っても、もちろん読書が好きでない子もいるから、かなーり間口が広い。こういう「間口の広さ」や「自分と本との接点がたくさんあること」は、多くの子を本の文化に誘う上で大事なポイントだと思う。そういう意味で、本や言葉にまつわるゲームをするコーナーがあったのも良かった。
学年を超えた読書文化をつくる
当日はもちろん、ただただ本を読む姿もたくさん見られたし、新入生や新入職スタッフへのライブラリー・ツアーも開かれた。午前9時から午後3時まで、文字通り「本を楽しむ」一日だったのだ。絶好の本日和。もちろん、主催メンバーの6人の本への愛ゆえなのだけど、本が好きじゃない子たちにもどうしたらアピールできるかを考えていたのが素敵だったな。僕はこの6人と一緒にイベントをつくっていた立場だったのだけど、あまり頼りにされなかったと思う。馬力のあるリーダー格の子と、しっかりものの周囲の子たちのパワーが存分に発揮されて、頼もしかった。
2022年度、心躍るスタート。子どもたちからもらったエネルギーを動力にして、学年を超えた読書文化をつくっていきたいな。いま、『読む文化をハックする』をパラパラと読み直しながら、今年のことを考えている(今さら考えるな〜と言われそうだけど、風越、予定がつまり過ぎてて勉強する暇が本当にないのよ….)。さあ、読むこと、書くことを楽しめる一年にするために、頑張ろう!