[読書]つい「なぜ?」を繰り返して追い詰めてしまう人にぴったりの一冊。中田豊一「対話型ファシリテーションの手ほどき」

実は、最近ほとんど本を読んでません…。引越し&退職前後の超多忙生活がようやく落ち着きつつあるのですが、今度は小学校免許取得のための勉強も始まって、今後も読書時間の確保に苦労しそう。3月も月末にまとめるほどの量の本を読めてないので、月末読書まとめはいったんお休みして、忘れたくない本だけ個別に超手短かにメモします。今回は質問の本。facebookで勧められていて読んだら、薄くてあっという間に読めるのに、まさに自分に必要な本でした。タイトル通り、対話を進めるための本です。

「なぜ?」「どう?」を禁じる

この本のキモは最初にあって、とにかく「なぜ〜したの?」「〜はどう?」という質問を禁じること。前者は、相手を追い込み、身構えさえて言い訳をさせるだけだし、相手の思考のフレームが変わらないから。そして後者は、曖昧すぎて相手に確信のない答えを強要させる可能性が高いから。

このところだけでも僕はなるほどなあと思いました。わかっていても、つい自分の好奇心にしたがって、「なぜ」を繰り返して、「詰問されてるみたい!」と相手を追い詰めてしまう悪い癖があるんですよね…。この2つの質問をしないことは、頭に入れておきます。why と how を徹底的に避けるよう、日常生活を意識して送ろう。

事実を確認する質問を繰り返す

ではどういう質問がいいのかというと、徹底的に事実を確認する質問をするのだそう。これ、簡単なようで結構難しい。実際には僕たちの質問は、質問者は事実を聞いているつもりで、実際には回答者の解釈や記憶を聞いている質問が多いからです。たとえば「今日は話しやすかった?」はもちろん、「彼はいつもコーヒーを飲んでいるの?」も、事実ではなくて、回答者の解釈を聞いているんですよね。後者も、何を以って「いつも」とするのかが曖昧。事実を聞くなら「昨日は飲んでいたの?」「一昨日は飲んでいたの?」というふうになる。とにかく、「いつ・何を・どこで・誰が」といった具体的事実を確認する質問を徹底すること。そうして、相手が事実を整理し、自分で思考するのを助ける。それがこの本で述べられている対話型ファシリテーションです。

この本を貫いているのは、ファシリテーションを「卵の孵化を助ける母鳥」のイメージで捉えていること。外からくちばしでコツコツと叩くが、最後にはヒナが自分で出てくるのをじっと待つ。そんなふうに、質問をすることで相手の思考を援助できたらなあ…。きっと授業にも使えるけど、まずは家庭内で実践してみよう、家庭内の平和のために。そう思える一冊でした。

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