今学期は中学生でリーディング・ワークショップをやってるけど(下記エントリ参照)、高校ではライティング・ワークショップ。その授業も始まった。
ライティング・ワークショップの授業開き
まだ、授業びらきをして走り出した序盤戦。最初に語ることって、その時点での自分の「ライティング・ワークショップ観」「育てたい書き手観」を反映するものだけど、今年は「自分のプロセスを見つけよう」「自分が書きやすい環境を自分で構築しよう」ということを強調しているなあ、と思う。
もちろん、全般的な傾向としては、優れた書き手が「書く前」や「書いた後」に時間を多く使うということは言える。でも、全ての書き手がそういうわけではない。全員に共通した「最適の方法」はない。
アイデアを考えるやり方だって、様々だ。小説を書くときに、プロットから考える作家もいる。キャラクター設定をしっかりして、「キャラが動きだす」のを待つ作家もいる。自分のプロセスを見つけよう。自分が書きやすいスタイルは何か、模索しよう。
色々な生徒たちの姿
そして実際に、生徒がやっている姿も様々。背後から覗き込まれるのが嫌で、壁を背にする生徒。まず寝て頭をすっきりさせる生徒。書くのは深夜に家でやるからと、学校では参考資料を読むことに徹する生徒。絵を描く生徒。メモ書きをしている生徒。ひたすら本を読む生徒。おしゃべりをする生徒。PCを使う多くの生徒にまじって、何人かはスマホで執筆している。彼らにとっては、そのほうが早いし、電車の中でも書けるので便利なのだ。
色々な生徒の姿を前にすると、例えば一斉に「さあ、今日はマインドマップを使ってアイデアを考えよう」「全員PCで書こう」とやることが、かえって生徒の邪魔にしかならないよなあと実感する。できるだけ生徒が選択肢を持てるように。生徒が自分で「書きやすい環境」をつくれるように。だから、今回の授業の原則は、「書き手の権利10か条」(下記エントリ参照)。完全には無理だけど、できるだけ尊重したいと思ってる。
まずは、彼らを理解しないと…
今の僕は、書き手としての彼らを理解する段階。残念ながら全員を把握するのは現実的に無理だけど、できるだけ一人ひとりの進捗状況や、書き手としてのスタイル、彼らの書くプロセスを知りたい。リーディング・ワークショップで得た彼らの情報も念頭におきつつ、カンファランスで彼らの進捗を聞き出しながら、手元のスマホにメモしていく。
先学期のリーディング・ワークショップでカンファランスのやり方を試行錯誤したおかげで(下記エントリ参照)、今回は、わりといいペースで生徒と話ができているかな。できるだけ早く生徒全員と話をしよう。