休暇ごとの家族旅行。2月のポルト(ポルトガル)に続いて、今月はイギリス海峡にあるサーク島に来ました。これが素晴らしい島で、近くに旅行に来る方には是非立ち寄っていただきたいので、またしてもお薦め記事風のレポを写真満載でお届け。
サーク島の魅力簡単まとめ
- どこまでも広がる空・のどかな自然・石造りの家並みを満喫できる。
- 小さな島をのんびりと馬車に乗って散歩できる。
- 世界でも最も美しい星空が見られる場所の一つ。
- 車の使用禁止、独自通貨、世界一小さな刑務所など、ユニークな特徴もたくさん。
- 地元のシーフード、乳製品、牛肉も美味しい。
サーク島ってどんな島?ユニークな英国自治領
サーク島はイギリス海峡のフランス寄りにあるチャネル諸島に属する、人口400名ほどの英国領の小さな島。島へは、チャネル諸島の中心でもある隣のガーンジー島やフランスのサン・マロから船の定期便が出ている。僕たちはガーンジー島まで飛行機で行き、そこから船の定期便に乗った。50分ほど揺られると、向こうに見えてくるのがサーク島。
このサーク島、世界でいち早く市民革命の起きた英国領でありながら、なんとつい最近の2008年まで封建制度が続いていたというユニークな島で、現在もイギリス本国とは別の憲法と法律を持つ英領自治区。貨幣だって、イギリス本国で使われるポンドと同時に、チャネル諸島共通の「ガーンジー・ポンド」という独自の紙幣を持っているのだ。
地理的にイギリスだけでなくフランスとも縁が深く、このように島内の案内も英語とフランス語が混在している。島民の言語は基本的に英語のようだが、年配の方はフランス語も話せるようだ。
サーク島のもう一つの特徴が、島内での自動車の通行が禁じられていること。住民は徒歩か自転車で島内を移動する。他で通行できるのは馬車と業務用のトラクター。港から丘の上まで行く公共バスもトラクター(トースト・ラック)だし、お医者さんだってトラクターで移動する。
また、変わったところでは世界で一番小さい刑務所もこのサーク島にある。聞いたところ二人しか収監できない刑務所で、今でも一応現役らしい(なお収監されている人はいない)。
どこまでも続く広い空、美しい景色!
丘の上まで登ると驚くのが、どこまでも続く広い空と美しい自然。そして石造りの家並み。「赤毛のアン」のプリンスエドワード島のような、お話の中の世界が、そこにあった。
丘の中央にある丘の頂上から、観光馬車に乗ってゆったりと島内を巡ることができる。
1時間半で家族4人で30ポンド、正直これは破格の安さだった。のんびりと馬車に揺られ、サーク島で生まれ育った馭者さんとお話ししながらの1時間半。最高に気持ち良い。
どこまでも広がる青空に…
ここかしこ、羊たちの群れ。
この日、公共トラクターで隣りになった島民の方は、3年前に訪れたこの島の景色に衝撃を受けて移住してきたそうで、「車もないし、自然は美しいし、子供達を育てるには最高だよ」と笑っていた。不便だってあると思うけど、それでも移住したくなるくらい魅力的な島ということだろう。とはいえ、別の方に聞くと仕事を求めて島を出る人も多いらしく、経済的には厳しい面もあるのかもしれない。
のどかな景色の道を抜ければ、海岸線沿いにはこんな絶景も広がる。
イギリスなのに美味しいシーフード、牛肉、クリームティー
このサーク島を含むチャネル諸島は、海に囲まれているのでサーモンやロブスターなどのシーフードがとても豊富。イギリスなのにシーフードが美味しい、これだけでポイントが高い!また、近くには「ジャージー牛乳」の由来ともなったジャージー島があるくらいなので、近隣の島はどこも乳製品や牛肉が美味しいのだそうだ。確かにサーク島で食べたクリームティーのクリームも、他とは違ってとろっとして美味しかった。
最大の目玉は満天の星空!….でも今回は残念…
近年、このサーク島を有名にしたのは、その星空の美しさ。島内には車も走っておらず街灯もないため、星空を見るには絶好の場所。国際ダークスカイ協会から、「光害のない場所」として居住区としては初めて認定を受けた「世界でも最も星空の美しい場所」の一つである。以下のウェブサイトを見ると、その美しさが想像できようというもの。
▶︎ Isle of Sark (サーク島観光ウェブサイト) |
…ただ、変わりやすいイギリスの天気。残念ながら、今回は大気の状態が安定せず、昼間は晴れても夜に雲が晴れることはありませんでした…。夜中に雲の晴れ間から星が幾つか見えたけど、うーん、これは残念。
素晴らしいチャネル諸島の島々。ぜひゆとりある日程で!
というわけで大満足のサーク島旅行だった。ただ、唯一の心残りである星空を見るためにもう一度やってくるかどうかを、現在検討している。星空のためにまた来てもいいくらい好印象ということ。
宿の方に聞いてもどのシーズンなら星空がピンポイントでも見られる可能性が高いとも言えないそうで、それに加えて島への渡航便が強風によってキャンセルになる可能性もあるので(僕たちはこれを食らって一晩ガーンジー島で足止めされた)、今回の僕たちみたいに短期間の滞在はややリスクがある。
周辺のチャネル諸島では、ガーンジー島も美術館や美しい公園のある島(後日書くが、魅力的な公共図書館もあった)だし、ハーム島もサーク島と同様に美しい景観で、特にビーチが美しいとか。また、ジャージー牛の原産であるジャージー島もある。サーク島に興味を持った方も、こういった島々を交えて、ゆとりある日程での訪問が良さそうだ。