[雑談]ただいま「初心者ハイ」の真っ最中。ゲームとしての山歩きの楽しさ。

ここ数ヶ月の僕のTwitter(X)を見ていた方は、僕が週末のたびに山に行くことに気づいていたはずだ。とはいっても僕北アルプスなどはほとんど行かなければ縦走もしない、日帰り低山専門の「ゆるハイカー」ではあるのだが、それでも毎週のように山に登っている。今は山に行くのが楽しくて仕方ない、いわば「初心者ハイ」の時期である。というわけで、今回は国語教育そっちのけの雑談エントリ。

写真は、朝日をあびる黒斑山。この11月初旬、まだ暗いうちに登山道に入って、黒斑山の絶景スポット、トーミの頭から日の出を眺めてきました。

目次

僕の山登り元年は、2021年。

最近になって熱が高まった山登りだけど、僕が山に行き始めたのは2021年のこと。実はそのときの心情もブログに書いている。当時はとにかくコロナ禍で一日中子どもたちと一緒にいるのが気詰まりで(と感じるあたり、本当に小学校教員の適性がないですね…笑)、一人になりたくて山に行ったのだった。この時期に足繁く通っていたのは北八ヶ岳。山口耀久『北八ツ彷徨』を読んでは、毎週のように森を歩いていた頃だ。もはやなつかしい。この本に出会えたのは本当に幸運だった。

夏休み明けから体制が変わって一ヶ月、2021年9月末の自分の現在地。

2021.09.25

移住三年目のにわかブーム? この秋は北八ヶ岳を満喫しました。

2021.10.16

この年の秋には、これまた幸運にもテーマプロジェクト「浅間山を究める」のサブスタッフになって、浅間山方面に通ったのも大きかった。これは、今につながる浅間山への興味のもとになっている。

[資料]「浅間山を究める」ための施設&ブックリスト

2021.12.16

日帰り中心に幅を広げた22-23年

2022年から2023年も、ほとんどが日帰りとはいえ、一定のペースで山に登っている。2022年の大きなイベントは、浅間山とその外輪山(黒斑山・蛇骨岳・仙人岳・鋸岳)を日帰り縦走したこと。噴火警戒レベルが1だったこの時期にだけできたことで、いまはこのコースは歩けない。また、この年は南八ヶ岳の主峰・赤岳にも登って、八ヶ岳全山歩きたいなと思ったのだった。翌2023年は、村上義清に興味を持ったこともあり、ちょっと趣向を変えて、虚空蔵山城や砥石城など、上田地方の山城・低山をよく歩いた。この年の大きな登山は、初のテント泊。重いテントを担いで、北アルプスの薬師岳に一泊登山。黄金色に染まる夕焼けも、星空の下のナイトハイクも忘れがたい。

ホームマウンテン・平尾山

そんな僕が一番登っているホームマウンテンは、佐久の平尾山である。平尾富士とも呼ばれ、「佐久市民の山」とされるこの里山は、僕の家から車で15分もかからない「ご近所低山」だ。ここにも、初めは一人になってゆっくり景色を眺めたり、本を読んだりするために出かけた。山頂でゆっくりカフェラテを飲んだり、小川のそばの石に腰掛けて読書したりするのは、それだけでもう最高だ。

そして、今はそれだけでない楽しみも平尾山からもらっている。この夏から、登山道ではない道を、地図やコンパスをたよりにルートを探して歩く楽しみを覚えた。地形図の尾根と谷に、色違いのマーカーで線を引いて、等高線のピークをつないでいけば、自分だけの登山ルートの完成だ。その地形図を片手に、山を歩く。前にも後ろにも人はいない。「この林道を突き詰めたら、終点はどこに出るだろう」「この崖から尾根にとりついて先をすすめば、きっとこの登山道に合流するはずだ」そう見当をつけて、整備された登山道以外の道も、あえて歩き回っている。迷うこともある。でもGPSがあれば最後にはなんとかなるので、コンパスと地形図で、あちこち歩いてみる。

最短ルートならたった40分ほどで登れてしまう平尾山。その小さな山が、通えば通うほど、大きく感じられ、奥深い表情を見せる。そうやって山のイメージが更新されることが、一つの山に登り続ける魅力である。

山歩きは自由なゲーム

山歩きの魅力とはなんなのだろう。景色の素晴らしさ、安らぎ、一人になれること。山ならではのそうした楽しみは、今でももちろん大きなものだ。でも、いま一番感じているのは、山歩きは「冒険」だということ。いや、言うほどたいした冒険でもないから、ちょっとその表現は気恥ずかしい。「ゲーム」程度に言っておこう。山歩きというゲームが楽しい。

山歩きのルールはたった一つ、生きて帰ること。それだけ守れば、山をフィールドに僕は自在にゲームをつくり、楽しむことができるのだ。どこを歩き、どこを目指すか。何をしてすごすか。料理はするのかどうか、本は持っていくか。すべて、自分で考えて決めるのだ。GPSをできるだけ使わずに紙の地形図とコンパスだけで平尾山を歩けば、それだけでもう未知をいく冒険のいっちょあがりである。水場や川の有無などを考えて、どのくらいの水を持っていくと良いのかさえ、一つのゲームになる。

知識がゲームをつくる

こんなに自在にゴールを設定して遊べるゲームだということに、2024年になってようやく気づいたのは、僕の山についての読書量が閾値を超えて、知識の点と点が線となってつながってきたからだろう。知識がないうちはただ漫然と500mlやら1リットルやら持っていた水を、ある程度登山の知識を身につけた今は、ちゃんと山行計画の中で意図を持って量を考えて持っていけるようになったのである。

そういう自分の変化が、今は自分にもわかる。ちょうど楽器の練習で初心者の伸び幅が大きい時期があるように、いまは自分の伸び幅の大きい時期なんだろう。地元の山登りの先達に連れられてバリエーションルート(登山道以外の道)をいくのも楽しいし、その経験を活かして、一人で廃道になった道を歩いて山頂を目指す充実感もまた格別だ。自分の知識と判断力を総動員して目の前の状況にどう対処するか。それが試されるのだから、面白くないわけがない。そんな自分がいま学びたいのはロープワーク。ロープとカラビナで危険箇所を通過する技術を身につければ、もっと自由に山の中を歩ける。そうしたらもっと楽しいに違いない。

ひそむリスクも考えて…。

とまあ、最近は山歩きがとても楽しく、週末のたびに必ず平尾山や他の山に登っている。ただ、自分でもわかっているつもりなのだが、登山道以外を歩きたくなっている最近の僕は、リスクと背中あわせのようだ。いくら自分では慎重に段階をあげているつもりでも、実際には浅い経験のまま、一足飛びでチャレンジの度合いを上げている可能性もある。特にぼくは単独行が基本なので、何かあったら最悪取り返しがつかない。長野はもう冬。山のリスクも高まる時期なので、ちょっと自分を抑える必要があるだろう。

このエントリも、そんな自戒の念を込めて、いまの自分を書き残すために書いたもの。ピッケルやビーコン(雪崩時の発信機)が必要な本格的な冬山には手を出さず、安全第一で登っていけたらと思う。

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