夏休みなので軽めの話題も放り込みますよ! 最近、Google Formなどウェブで気軽にアンケートが作れるようになりました。そのせいか、ちょっと安易なアンケートが多いと思いませんか? 安易にアンケートを作らないための「アンケートの作り方」の入門書、欲しいなあ、という希望です。どなたか専門家の方、書いてください、買います!
目次
そのアンケート、やる意味あるの?
教育関係者の方、時々、facebookで「友人(学生)のアンケートにご協力を!」とGoogle Formで作られたアンケートがシェアされてくることがありませんか? 素人の僕には詳しいことはわかりませんが、ランダムサンプリングをしないでfacebookでアンケート回答をお願いしている時点で、調査としてはほぼ価値がないんじゃなかろうか、指導教員の人はなんて言うのだろう…。
また、親としては、子どもが小学校の総合学習で作ってくる安易なアンケートも気になる。「あなたはスマホでトラブルが起きることを知っていますか? はい いいえ 」「防災で気をつけていることは何ですか」みたいなやつ。親として義理で答えるのですが、「その質問を親に聞くことで、どうしたいの?」「それはアンケートではなくて本で調べたほうがいいのでは?」と疑問に思うことも多くて、「どんな調査方法を検討して、そのうちアンケートにしたのはなんで?」「回答者として親を選んだ理由は?」と聞いても、はかばかしい答えが返ってこない。小学校の総合学習でのアンケートなんて、アンケートそのものよりも、アンケートを通じて親と会話することが目的なのかもしれない。だから大目に見てもいいんだけど、こうやって安易にアンケートを使う癖がつくのは困るなあ…。
「アンケートをしないで済ませる」ためのアンケート入門書が欲しい
そもそもアンケートって、回答者の時間を奪う「迷惑行為」なのだ(アンケートに限らず、研究は対象者に対する危害なのだということは、エクセター大学大学院でうるさく言われたことである)。この認識を、生徒にも我が子にも持ってほしい。回答者の時間を奪ってゴミみたいなアンケート結果を産出するよりも、他の方法で調べれば求める答えが見つかるときは、アンケートをすべきじゃない。「なぜアンケートをするのか?それはアンケートではないとだめなのか?」「誰にアンケートをするのか?」「何を、どういう順番で聞くのが良いのか?」くらいまでの話を、わかりやすく書いてくれている本が欲しいなあ。
参考になりそうな本たち
社会調査の本で僕のような素人でも読みやすいものといえば、まず思いつくのは谷岡一郎さんの本。特に『社会調査のウソ』は、ゴミのようなデータがたくさん生み出されていることを豊富な実例で示した面白い本ですね。ただ、これは「データの読み方」に焦点があって、「アンケートの作り方」の教科書としては使いにくい。
大学生以上の研究向けには、アンケート(質問紙調査)の入門書がいくつかある。僕がこれまで読んだものの中だと、『マンガでわかる統計学 因子分析編』の第1章「アンケートの基礎知識」と第2章「調査票と質問」が一番イメージに近いかなあ。統計の話はさておき、このくらいまでの話に特化して、できればもっと易しいレベルで「アンケートをとるときの基本的態度」を説明してくれる本が欲しいです。
総合学習だけでなく、大人にも有益なはず?
アンケート調査って、本当はとても専門的な技量が必要なはず。でも、僕たち素人にはそれがよくわからない。だから、便利にアンケートが作れるようになると、ゴミみたいなアンケートを量産してしまう。学校できちんとした社会調査のやり方について教えるのは難しいにしても、「アンケートをとる前に、本当にそれはアンケートをとる必要があるのかを考える」「アンケートをとる前に、結果がすでに出ていないかを調べる」「アンケートは迷惑であることを自覚する」「目的を明確にしてそれに沿ったアンケートをとる」くらいまでは、高校生までの授業でなんとかならないかな、とも思う。
「アンケートをはじめる前に&はじめの一歩」的な入門書。もしあれば、総合学習でアンケート調査をする小中高生、それを指導する学校の先生たち、大人になってアンケートをとろうとする人たちにも役立つんじゃないでしょうか。どなたか専門家の方、書いてください!