大学では今月初めにすべての科目の課題も提出し終えて、今は修士論文相当のDissertation(僕のコースは博士課程一年目を兼ねているので、書くのは博士論文のプロポーザル)を書いている真っ最中。ただ、先行研究の文献を読むのに時間がかかったりして、なかなかエンジンが上がらずにいる。とはいえ最近はようやく軌道に乗ってきたので、今日はここまで感触を個人的に記録しておきたい。
前回の課題を出した週から、授業が全くないのも絶対にだれてしまうので、英語のサポート機関INTOで週一回の授業を取っている(INTOについては関連記事を参照。良いところです)。
目次
Literature Reviewを書き始めて3週間…
授業はDissertation Workshopという、いろいろな学科の学生でDissertationの進捗状況や課題を共有しあうワークショップだ。そこでは毎回最後に「今週の目標」を書くのだけど、僕の目標が、
3週間前:Literature Reviewを書く
2週間前:Literature Reviewを書き上げる
1週間前:Literature Reviewを書き上げる
で、全く変わっていない(笑)。そして、今週もなおLiterature Reviewを書いているのだ。とほほ…。僕は英文を書くのが本当に遅くて、材料が揃って順調にいっても1日かけて500wordsという亀ペースなのも影響しているのだろう。
「書ける」感覚を得られるまでのプロセス
ただ、この1週間でだいぶ状況が好転した。というのも、最初は自信がないまま一応のストラクチャーを作って、もやもやした気持ちのまま書いていたのだけど、そこでやっぱり壁にぶつかり、それを不安通り先生との面談で指摘された。でも、そこで先生の助言を取り入れて思い切って構成をがらりと変えてからが軌道に乗った。さすが先生。おかげで書くべき全体像が定まって、「あとは細かいアイデアを考えて質を上げていくだけ」の段階になったのだ。こうなるともやもやがなくなって「仕事」モードになれる。朝8時半に図書館に到着し、いったん帰宅しての夕食を挟んでまた図書館に行き、夜10時半になったら帰るという淡々とした日々。
特にこの数日は「ゾーン」に入った感触がある。家から図書館までの10分ほどの道のりの間に、何かしら細かいところの精度を上げるアイデアが浮かぶ。以前に読んだ論文が、ふっと頭に浮かんでくる。「あ、そうか」とか「なるほど」と一人でつぶやきながら図書館について、あとはそれを形にする。それが終わったらまた目を通していない論文を読んで、次のアイデアが降りてくるのを待つ。アイデアが「やってくる」という感覚。わかっていることを書いて伝えるのではなく、発見するために書く「Discovery Writing」をやっている実感がある。たぶん、こういう状態はそう長くは続かない。この「ゾーン」に入っている間に、できるだけ進めてしまいたい、と思う。
書くことの困難を解決する最良の方法は、書くこと
それにしても、書くことは大変な作業だ。英語だからということももちろんある。けれど、やっぱり書くこと自体が大変なことなのだ。書くことは、一方でパズルの全体をデザインしながら、同時に一つ一つのピースをはめていく作業に似ている。最初は、まだ全体像が定まらないうちに、ピースをはめていかねばならない。だから、最初が一番しんどい。だから、書くことをつい先延ばしにしたくなる。
でも、そのしんどさを解決するのは、やはり書き続けることなのだ。最初はまだもやもやしていた問題が書くことではっきりし、それを解決すためにパズルの全体のデザインを何度も修正し、一つ一つのパズルのピースが当てはまるか、考えていく。書きつづけることで修正の可能性がどんどん狭まり、どんどん楽になっていく。
来週までには書きあげよう!
ということで、今の僕は、ようやくLiterature Reviewのパズルの全体像が定まったところ。現段階で4000words、引用した文献は70程度。あとは、淡々と、堀を埋めていくように、毎日10時間ずつかけてパズルのピースをはめていくだけ。おそらく後1週間かからずに、Literature Reviewはいったん書き終わるはず。作業時間としてはまだまだかかるけど、「作業」になった段階で、もう仕事の7割は終わっている。淡々と、作業をこなしていくのみだ。