最近、下記リンク先で書いたように、返却されたレポートの成績が良かったりもう一つのレポートも無事に出し終えたりと、一見軌道に乗ったかに見える僕の留学生活。しかし、実は全然そんなことがなくて、相変わらず英語ができなくて苦しんでいる。
授業が完全な「Flipped Classroom(反転授業)」形式なのだ。そう、近年ICT活用の文脈でも話題になっているやつですな(というかメディア人気的にはすっかりアクティブ・ラーニングに話題をさらわれて下火だけど…)。哲学の先生って、きっと教室で議論するのが好きなんだと思う。基本的にテキストとビデオとスライドを事前に見て、事前にクイズも解いて、それから授業。スライドに沿った講義はゼロ。授業はスライドについての学生の質問やディスカッションで進む、あすこまの狭い世界観で言うとザッツ欧米な感じの授業。
で、何が困るって、英語のできない僕には議論が聞き取れないのである…。特に、イギリス人の同級生の発言とかまるで聞き取れない。うかつに質問もできなくなってしまった。
今までの講義中心の授業だと、聞き取れなくても、(1)事前の指定文献を読む、(2)事後の文献も先回りして読む、(3)昨年度の講義レジュメを読んでおく、(4)時間が出来たら遠隔授業用のビデオも見る、という手段で、とにかく力技で予習を頑張ってなんとかカバーできた。しかし、反転授業ではそれができん。全くできん。それが1回の授業で3時間続くので、おかげで最近は授業に全くついていけてない。
問題の根本はリスニング力がないことにある。考えてみたら週2回の授業以外はほとんど毎日図書館で文献を読んでいるだけ。 家に帰れば家族がいるので日本語である。イギリスにいながら、英語を話したり聞いたりしていないのだ…。もっと英語で交流する機会を持つべきなのだけど、一方で読むスピードの遅さから土日も読むことに費やさないと追いつかない。ということで、ちょっと解決策が思いつかないなあ。これは困った…。
うーん、それにしても、反転授業でこんなに困るとは思ってなかった。外国語で学んでいる僕の場合は極端な事例かもしれないけど、 こんな調子だと母語での授業でも「反転授業のせいでうまく学べない」事例ってあるんじゃなかろうか、ということが頭をよぎった。ラーニング・ピラミッド批判の下記エントリでも書いたけど、やっぱり「いつでもどこでも誰にでも学びやすい学習法」ってのは存在しないんだと思う。その人によっても違うし、同一人物の場合でも、その人の置かれた文脈によって、最適な学習法は異なるのだ。
お願いだから反転授業じゃなくて、テキストに基づいた講義をやってほしいよー…それが一番学びやすいんだもの…というのが、今の僕の心の叫びである。